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在宅高齢者の生活体力と日常生活状況との関連


 2.調査項目
 1)生活体力
 生活体力は起居,歩行,手腕,身辺の各動作からなる一連の課題を出来るだけ速く行い,その所要時間として測定した7).なお,ここでの「手腕動作」とは家事動作,食事動作,書字動作などの手と腕を同時に用いた生活動作の総称として用いた.測定にあたっては,1回の練習を実施した後,2回の測定を実施し,成績の良好な方を採用した.

 2)生活状況調査
 質問票を用いて,基本属性(性,年齢,配偶者の有無,同居家族数,最終学歴)および日常生活習慣についての調査を行った.生活習慣についての調査項目としては睡眠時間,朝食,間食,塩分摂取,飲酒,喫煙,散歩・体操,運動・スポーツ,趣味稽古事,仕事,家事の11項目とし,その詳細については付録として示した.調査は会場において,調査員による面接聞き取り法により実施した.なお,調査の信頼性を高めるために,調査員には事前に面接についての説明と訓練を行った.

 3.統計解析
 統計解析については全て男女別に実施した.基本属性の各項目と生活体力との関係については,生活体力を目的変数,各属性項目を説明変数とした多重分類分析を行った.生活習慣と生活体力との関係については,生活体力を目的変数,生活習慣の各項目を説明変数とし,共変量に男性では年齢,脳卒中の既往歴の有無,身体の痛みの有無を,女性では年齢,配偶者の有無,最終学歴,身体の痛みの有無をそれぞれ用いた共分散分析と多重分類分析を行った.なお,説明変数のうち男女の朝食は全員「有り」,女性の喫煙は全員「無し」であったので解析からはずした.また,男女の共変量は基本属性および前回の研究3)において生活体力と有意な関連が示された項目を用いた.統計解析には統計パッケージSPSS-Mac版を用いた.解析結果については,危険率5%未満を有意差ありとした.


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