バレー部に所属している女子中学生の食生活の実態調査
表4 栄養素密度からみた栄養摂取水準の主成分分析結果
自記式質問紙調査のうち,食事観や食意識,および食情報に対する関心についての回答を表5ならびに表6に示した.なお,学年ごとの
調査対象人数が大きく異なることから,ここでは回答人数のみを記載した.その結果,多くの対象者は自分の食生活を「自分は栄養素
のバランスを考えながら食事をしているわけではない」が,「自分の食生活はまあまあ健康的である」と考えていた(表5).食意識に
関する項目では,食事と「スタミナ」,「自分の健康」,「病気」,「将来の成人病」との関連は,多くの対象者が理解できていたのに
対し,「競技成績」や「競技に適した体づくり」との関連が理解できている対象者は全体の半分に満たなかった(表5).一方,「食情報
を知りたいか」という質問ではほとんどの対象者が「考えたことがない」と回答し,栄養の情報源として1/2以上の対象者がとりあげ
た項目は「家族」のみであった(表6).この他,体重測定やボディーイメージに関する質問項目では,「どのような体型になりたいか」
という質問に対し,15名中14名が「やせてスマートになりたい」と答えており,形態測定結果からは肥満ではないのに「自分は太って
いる」と答えた対象者が11名いた.それに対し,体重を測る習慣を持っている対象者は1/3だけであった.一方,「めまいがする」,「午
前中だるい」といった自覚症状の訴えや部活動による疲れはほとんどみられなかった.
上記の基準化された栄養摂取水準の値を用いて主成分分析を行った結果得られた個人ごとの3因子の因子得点と,形態測定結果,朝,昼,
間,夕食でのエネルギー割合,自記式質問紙調査結果の変数との相関係数を検討した.その結果,有意水準が10%未満の関係を示した変数
を表7に示した.第2因子「主菜料理や乳・乳製品の摂取」は体重(r=0.518,p<0.05),「コンビニでは甘くない飲料を買う」(r=0.586,p<0.05)
との間にそれぞれ有意な正の相関を示す一方,朝食でのエネルギー摂取割合(r=-0.518,p<0.05),「食事はスタミナづくりに影響すると
思う」(r:=0.531,p<0.05)との間にそれぞれ有意な負の相関を示した.第3因子「エネルギーの摂取」は体重(r=0.692,p<0.01),BMI
(r=0.617,p<0.05)との間にそれぞれ有意な正の相関を示し,「間食や夜食では甘くない菓子を食べる」(r:=-0.581,p<0.05),「家族から
栄養に関する情報を得ている」(r=-0.554,p<0.05)との間にそれぞれ有意な負の相関を示した.なお,ボディーイメージや体重の測定
といった項目は,これら3因子との間には関連がみられなかった.
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