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表 1 幼児の握力(右手)
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表 2 最大酸素摂取量,体重当り最大酸素摂取量
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(2)筋力面での特徴
筋力の大きさは、握力、背筋力、脚筋力などの測定によって知られるが、これらの発達曲線はいずれもよく似ているので、実際
には測定の簡便な握力がよく利用されている。
握力の発達は幼児期では比較的ゆるやかな上昇を見せ、神経系の発達のように急峻ではない。5歳児で見た場合、体重は成人の
1/3程度であるにもかかわらず、筋力は成人の1/6程度しかなく(男子の場合)、からだの大きさの割合に筋力が少ないといえる。幼
児の段階では、筋力の面での性差はあまり見られない。女児は男児よりも僅かに下まわっているが、それほど大きな差ではないの
で、筋力運動で男女差を考慮する必要はまずない。
(3)循環機能の面での特徴
酸素摂取能力は、5歳児で成人の1/4〜1/3であるとされているので、おとなとくらべるとからだの大きさの割合にやや低い能力
だといえる。また循環系の器官の発育がまだ十分でないので、過大の負荷は避けた方がよい。ただ、幼児自身の自発的な運動である
ならば、一見かなり厳しい運動をしているように見えても、時間的には3分以内のことが多く、つらくなれば幼児自身で自然にコン
トロールするので、あまり心配する必要はない。問題なのは追い込み式でやる場合である。
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