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[?]へき地診旅所設定における在宅患者の健康問題の頻度に関する横断的研究


三瀬順一 自治医科大学地域医療学
白石由里 自治医科大学地域医療学
山田隆司 岐阜県揖斐北西部地域医療センター
古賀義規 岐阜県藤橋村診療所
山岡雅顕 兵庫県五色町堺診療所

? はじめに
 在宅患者には、医療のみならず、保健と福祉の諸制度や地域住民の活動、家族の介護力の充実が必要である。このうちへき地医療の確保は、量的にも質的にも問題は残されているとはいえ、自治医科大学の設置と8次におよぶへき地医療対策により一定程度充実してきた。1)しかし、社会構造の脆弱で高齢化の著しいへき地では、保健や福祉、住民の活動が貧弱であり、在宅ケアの問題は深刻であると考えられる。しかし、一方では、人口規模が小さいことを逆手にとって小回りが効き、業種間の境目のない活動の可能性もある。
 ところが、へき地で在宅ケアを受けている患者については、健康問題の種類、頻度、重症度、どの程度のADLや痴呆を持っているのかさえ明らかでなく医療・保健・福祉政策立案の基礎資料が不足している現状にある。介護保険制度の施行に伴い、要介護度の評価や、市区町村ごとの介護の必要量の見積もりは行われつつあるが、健康問題の評価はまだ限定的であると言わざるを得ない。
 健康問題の種類や頻度を明らかにすることができれば、どのような技能や知識をもった医療従事者がどのくらいの数必要かを推定する根拠になり、へき地医療の確保のために必要な情報になる。
? 目的
 へき地診療所設定における在宅患者の健康問題の頻度(PREVALENCE)を明らかにする。

? 対象
 へき地診療所のうち、公的または地区で唯一のものである120か所に対し、この研究への参加を要請し、10県の14診療所が参加した。

 

 

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