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これらの評価法については従来血管造影による定性的な狭窄閉塞、およびサーモグラフィーによる血流の半定量的な測定などが行われたが定性的な範疇であり、治療との関りを考えたときにこの測定法の重要性があげられる。今回は症例の数の点で不十分な部分もあったが、基礎的および健常者における計測値を使用することで今後臨床的な症状を呈する者だけでなく高齢者およびASOの危険因子を多く有するものに、下肢の血流量の計測を行なうことで、診断治療への橋渡しおよび治療効果の判定に役立っていくものと考えられる。
 今後、この手法高齢者の動脈硬化性変化をとらえる場合に有用と考えられた。

?.謝辞

 この研究は、平成10年度の日本財団補助事業により行われたものであり、同財団に深謝する。

 この報告の一部は日本超音波医学会第10回関東甲信越地方会(1998年10月、長野)で発表した。また、日本超音波医学会第72回学術集会(1999年6月、札幌)で発表予定である。

?.文献

 1) Salonen TJ and Salonen R: Ultrasonographically assessed carotid morphology and risk of coronary heart disease. Arterioscler Thromb 1991; 11: 1245-1249.

 2) Klipstein RH, Firmin DN, Underwood SR, Rees RSO, Longrnore DB. Blood flow patterns in the hurnan aorta studied by magnetic resonance. Br Heart J 1987; 58:
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 3) Fujita N, Harada T, Murakami T, Akai. Effects of velocity profile to-and-fro pulsatile flow on magnetic resonance signal intensity. Magn Reson Med 1990; 15: 275-286.

 4)Moriyasu F, Nishida O, Ban N et al.: Congestion Index of the potral vein. Am J Raentgenol 1986; 146: 735-739.

 5)Nakamura T, Moriyasu F, Ban N et al.: Quantitative measurement of abdominal
arterial blood flow using image-directed Doppler ultmsonography; superior mesenteric, splenic and common hepatic arterial blood flow in nonnal adults. J Clin Ultrasound 1989; 17: 261-268 .

 

 

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