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 経時的再現性について
 5名のうちで4名について、1ケ月をおいて測定を行った結果の平均値およびSDは、検者1がA;449±22ml/minと404±18ml/min、B;359±20ml/minと357±27ml/min、C;455±62ml/minと465±48ml/min、D;425±23ml/minと453±30ml/minであり、検者2がA;484±34ml/minと404±25ml/min、B;407±9ml/minと414±26ml/min、C;462±48ml/minと481±53ml/min、D;393±29ml/minと413±31ml/minであった。これらの経時的変化をpaired t testで比較したところ、有意差を認めなかった(図6)。

B.検討2 末梢血管の測定について

1.対象
 健常な成人の男女を対象に、門脈本幹、総頚動脈、右腎動脈、腎動脈分岐後の腹部大動脈、椎骨動脈について計測し、脳神経および腹部疾患のないものについて行った。

2.方法
 前の計測と同様であり、装置はAloka SSD2000、探触子は門脈、右腎動脈、腹部大動脈では5.0または3.5MHzのコンベックス型を、頚動脈、椎骨動脈では7.5MHzのリニア型探触子または5.0MHzのコンベックス型探触子を使用した。測定は、安静で15分以上仰臥位を保った後に複数回行い、その平均値をml/minで表した。
 なお、統計学的検討はunpaired t testを行い、5%未満を有意差ありと判定した。

3.結果(表1)
 門脈本幹では、男性9名では872±244ml/min、女性12名では731±153ml/min、右腎動脈では男性3名では703±244ml/min、女性4名では669±186ml/minであった。腹部大動脈では男性8名では1112±315ml/min、女性4名では1218±177ml/min、総頚動脈では男性6名で右463±71ml/min、左490±37ml/min、女性5名右423±82ml/min、左415±83ml/minであった。椎骨動脈では男性3例右は134±54ml/min、左90±28ml/min、女性5例右で161±26ml/min、左104±39ml/minであった。椎骨動脈では右側が左側より多い傾向を示した。

 

 

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