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1−3 アウトソーシングの効果と問題点

 アウトソーシングの効果(理由)と問題点を以下に示す。

(1) アウトソーシングの効果(理由)

 初期における情報システム等のアウトソーシングは、コスト的に自社単独で利用することが困難な資源(大型コンピュータ等)を外部の企業に依存することを目的として発展してきた。しかし、近年においては、戦略的な視点からアウトソーシングに取り組む傾向にあり、組織ごとに抱える経営課題に応じて、アウトソーシングの目的も多様化してきている。
 (財)ニュービジネス協会『アウトソーシングに関するアンケート調査』(1997年)によると、アウトソーシングを行う理由、つまり想定する効果として「専門性の向上」(65.0%)が最も多く挙げられており、次いで「コスト削減」(49.7%)、「業務のスピード化」(36.2%)が多く挙げられている。このほか、経営における資金の柔軟性を確保するための「固定費の変動費化」(25.5%)や、近年の経営戦略において大きなトレンドとなっている「本業(コア・コンビタンス)への集中」(23.5%)等も理由として挙げられている。
 また、コストの削減効果に関しては、通商産業省『アウトソーシングのコスト削減効果分析調査報告書』(1998年)において、情報システムのオペレーション業務のアウトソーシングに関する試算を行っており、10数%のコスト削減効果が期待できるとしている。


図4−4 アウトソーシングの想定効果(理由)

表4−3 オペレーションのアウトソーシングによる削減効果

(出展:通商産業省『アウトソーシングのコスト削減効果分析調査報告書』1998年3月)

 

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