トステム株式会社(以下、トステム)では、情報システムの運用管理の効率化方策の一つとしてシン・クライアントに注目しており、現在、試験的にWi-ndows-based
Termina1(以下、WBT)を導入している。以下に、その活用事例を示す。
(1) トステムの概要
トステムは1949年の創業で、木製建具の小売業、卸売業、製造業を経て1966年アルミサッシ事業に参入し、それを契機に、現在、建築用金属製品製造業をして発展している。売上高は約5,622億円(1998年3月期)であり、従業員数は11,128人(1998年3月現在)である。
(2) 情報システムの現状と今後の方向性
中心となる情報システムはパソコンによるCSSと汎用機により構成される。本社、拠点、工場等に数百台のパソコンサーバが設置されており、社員はサーバの3270エミュレータを介して、東京に2台、大阪に1台設置される汎用機に接続する。汎用機では、販売、物流、人事等の基幹系業務を処理しており、また、CSSでは各種汎用アプリケーションや電子メール等が利用されている。この他、UNIXマシン約30台によるデータウェアハウスや、各工場にNetwareが導入されており、総端末数も10,OOO台を超えている(グループ会社社員や社内にいる外注企業社員等のオンライン専用端末も含む)。
CSSのサーバ数百台に関しては、運用管理労力が増大していることから、サーバの統合化や、遠隔監視機能の強化を検討している。CSSにおけるグループウェアの利用は電子メールに留まっているが、今後、ワークフロー等の活用を検討する予定である。また、技術開発室ではWWWのブラウザ上で稼働するアプリケーションの開発を行っており、今後、イントラネット的な利用推進が想定される。また、対外的な取り組みとしては、EDIに関する実験を進めており、今後、EDIの本格的な導入を図るとともに、サプライチェーン・マネジメント等の検討も予定している。
(3) WBTの導入の経緯
トステムでは端末が10,000台を超えることからOSや汎用アプリケーションの更新にかかるコストや労力は膨大であり、これらを削減する目的からシン・クライアントの導入を検討している。NCも検討したが、既存のWindowsアプリケーションの活用や、社員の再教育コスト等から、WBTの方が自社に適当であると考え、現在、試験的に導入している。.また、旧型PCも数千台残っていることから、これらの有効活用も効果として期待している。