第1節 調査研究の目的と内容
地方公共団体における情報化は、行政内部の大量・定型業務を中心とした集中処理による事務処理の効率化・省力化に止まらず、職員相互間のネットワーク化の推進等による情報の高度利用、さらには、住民に広く開かれた情報システムや地方公共団体間のネットワークによる情報交換への利用も検討されるなど、ますますその重要性を増している。
しかし、地方公共団体においては、総合情報システムの構築に向けて、業務システム間の統合化が進み、情報処理等における業務間の連携事項が増え、システムが巨大化、複雑化してきている。そのため、システムの開発や保守等において、システムの品質確保が難しくなったり、ネットワークを利用した情報システムが増え、急速に発展している情報通信技術への対応が容易でなくなるなど、システム開発及び保守に伴う経費が増大している。
また、全庁的にさまざまな業務処理にコンピュータの利用が拡大するにつれて、情報システムの障害が全庁的な規模で影響を与えるようになってきており、システムの信頼性及び安全性を確保することが重要な課題となることから、セキュリティ対策経費が増大している。
そこで、本研究では地方公共団体において情報システムを運用管理していく際の課題を整理するとともに、その効率化方策について調査する。そして、情報システムの経済性評価について検討するほか、近年、注目されているシン・クライアントの技術動向及び行政事務における有効性等について調査分析した。
また、効率化方策の一つとして考えられるアウトソーシングの実施方法・手順や有効性等について検討した。
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