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4−7 「情報航海への船出と目的地」
 それにしても、「良いとか悪いとか」「好きとか嫌い」の問題じゃなくて、とにかく始まってしまったのが情報公開、と言うのが実感ではないでしょうか。
 しかし、行政の内部情報なんて、全部をガラス張りにすればいい訳で、そうすれば、市民やマスコミに胡散臭く思われない訳です。
 毎月の例月決算も、約3,300の地方公共団体がインターネットでオープンにすることが常識になる日も近いと思って、情報公開に望んだ方がよいのではないでしょうか。
 条例を作ったら、情報公開もこれで終わりと言う性格のものではありません。情報公開は将来を探る「赤い糸」に過ぎません。しかし、そこから伝わってくる振動は、行政の地殻変動を意味しています。
 そして、情報公開の次に来るものは、市民に何を「報告し、連絡し、相談するのか」と言う、このホウレンソウ的課題が浮上して来ると思います。

4−8 先進的自治体とイントラ
 「この国のかたち」と言う言葉(司馬遼太郎)があります。もし、「この行政のかたち」と言う言葉があれば、「民依らしむべし、知らしむべからず」と言うような、江戸・明治以来の官尊民卑の思想は、いよいよ、モデルチェンジの時期に突入したかなと言う感じでしょうか。
 「再編成が始まっている」と言うのが実感です。物理的に道州制とか、市町村合併とはありますが、そう言う小学校の「クラス変え」みたいなこととは別に、地方公共団体の役割が変わって来ているのではないか、と言うことです。
 「先進的自治体」とは、高速道路や高層ビルが立ち並んでいる地方公共団体ではなく、市民の位置付けがしつかりとしている地方公共団体でしょう。市民と共に学習する地方公共団体こそが「先進的自治体」なのではないでしょうか。
 この先進的自治体への参加資格は二つあります。一つ目が「情報公開」で、これを実現する手段として二つ目に「イントラ・インターネット」と言うことです。
 イントラは導入段階では気が付きませんが、その将来的な価値としては、きわめて政治的施策の面を持っていることを念頭に置いて、庁内LAN・地域情報ネットワークを構想すべきと思います。
 文頭でも申しましたが、庁内LANをイントラで構築し、いっそのこと、その大半をインターネットを通じて情報公開し、市民に「報告し、連絡し、相談する」ホウレンソウ機能を満載した「ポパイネット」とも言うべきネットワークを築くことは、未来的過ぎるでしょうか。

 

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