図52 コロトコフ音,オッシレーション法,触診法による血圧測定それぞれの測定法によって
血圧値はやや異なる。Oscillation法で最大振幅を示す点が平均血圧を示す(Geddes,1970)
カフの下縁で,上腕動脈の拍動を触れながら,カフ圧を上げていくと,拍動が触れなくなるが,それより少し高い圧からだんだんと下ろしていくと,再び拍動が触れてくる。ここが収縮期圧に相当し,通常コロトコフ音による圧より4〜5?Hg低い。指の当て方は血管を圧迫せずに軽く当てるほうがよい。さらにカフ圧を下げていくと,血管壁の振動が指先に伝わってくるが,この振動が消失するところが拡張期圧に相当する。触診法と聴診法で血圧値を比較してみると,収縮期圧も拡張期圧もともに両方法間で非常によい相関にあることがわかる。このように,聴診器がなくとも触診法で拡張期圧が測れるので,いろいろな場合に用いてみるとよい。