今日のセミナーの中でどの講師も側にいることのたいせつさを繰り返しお話しになりましたが,このような調査でもはっきりとそれが出てきます。そういう意味では,繰り返しになりますが,ボランティアの存在はとても大きいと思います。そして,さらにその存在を知らない人たちに知ってもらう努力が必要なのだと痛感いたします。
欧米のようなボランティア活動が日本に根付くためには,ボランティア自身がきちんと認識するということ,そしてボランティアはマンパワーだけではないということです。何かをするということがたいせつなのではなく,基本的には何かをする前に,そこにいるということだということを確認し合いたいと思います。
それから,外部の人にボランティアの存在を知ってもらうことについてはいまからでも,そして誰にでもできることではないでしょうか。
ボランティアとしての技術
私のテーマの中でもう一つたいせつなことは,堅実な活動が根付くためには,いま何を考えて,どのように行動したらよいかということです。
これはボランティアの教育に結びついていくのではないかと思います。最初の講演で日野原先生がボランティアの条件を三つ上げられましたが,ホスピスのボランティアを希望される方は,第1の主体性については問題なく,自主性とホスピスを支えたいという情熱はもっておられます。また,第2の価値観についてもその方なりにもっておられます。しかし,日本のボランティアで欠けている,あるいは少し力を入れたほうがいいと思うのは,3番目の“技術”ということです。「熱い心と冷たい頭」という言葉がありますが,熱い心は誰でももつことができますが,冷静で知的な作業というのは,ある程度の技術と知識を積んでいかないとなかなかむずかしいことではあると思います。
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