ボランティアであるということ
次に,ボランティアのケアを受ける側の立場で考えてみました。
この調査は1997年の秋に私たちのホスピスのナースが研究・発表を行ったもので,聖ヨハネホスピスを利用している外来患者・入院患者,そしてホスピスで亡くなられた患者さんの遺族からとったアンケートの結果です。
アンケートの中で「ボランティアの存在を知っていましたか」という質問に対して,入院患者の8割弱は「知っていた」と答えていますが,遺族では5割くらいになります。いずれにしてもボランティアの存在を知らなかったという人がいるということは心に留めておかなければならないと思いました。というのは,私たちは患者さんの役に立ちたいと思って待機はしているのですが,実際に使ってくださる患者さん自身が知らないと,私たちのもっている力が発揮されないということになってしまいます。そういう意味では,患者さん側にも私たちの存在があるということを知らせていかなければならないという役割があると思います。それをもっと広げていくと,病気になった人ばかりでなく,普通に生活している人たち自身にもボランティアの活動があるということを知っていただくということになると思います。
では,実際に患者さんは何を望んでいるのでしょうか。「入院したら、ボランティアに何をしてもらいたいですか」ということでは,多いのは,?買い物をしてほしい,?食べ物をつくってほしい,?洗濯の手助けをしてほしい,?話し相手になってほしい,?側にいてほしいということでした。もう一つ,遺族の方がボランティアに何を望んだかということですが,断然多いのが「側にいたほしかった」という思い,次に多いのが,「話し相手になってほしかった」ということでした。
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