2階のホールでは時折音楽会などが催される
何とか歩いているけれども,間もなく歩けなくなりそうな感じがします」。そして,「このごろ主人は,私にずっとそばにいてくれと言う」と。いままでそんなことを言ったことのない夫であったのに,「怖いから,そばにいてくれと言う」とおっしゃるのです。
その言葉を聞いて,私は「ご主人にとっては,そのように奥様に言えるということは,それだけで随分癒されていらっしゃるのではないですか」と言ったら,「実は私もすごくそう思うのです」と言われる。涙を流しながら,「いまの主人は3歳の子供のような感じが私にはします」」「だから,もしかしたら主人にとって自分は妻なんだけれども,母親がそばにいるような,そういうイメージをもっているのではないのかと患うのです」とおっしゃるのです。そういうお話をしながら奥様が「ああ,やっぱりそういうふうに関わり続けることが,いまの主人にとってはいちばん必要なことかもしれません。
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