ボランティアの指導によるアートプログラム
迷いの中から答えを見つけ出す
先日,実際に入院した患者さんではありませんが,入院相談に来られた方でしたが,頭頸部に腫瘍のある方でした。このあたりの腫瘍というのは出血しやすいのですが,いまいる大学病院の先生から,出血するかもしれないので,出血したときのことを考えて気管切開をしておいたほうがいいと言われた。それは,出血すると気管から肺のほうに血液が流れ込み窒息してしまうことがあるから,対処しやすいようにしておいたほうがいいと提案されているのだけれども,本人は「もう,そんな管はいやだ」と言っているというのです。余命が3ヵ月か半年ぐらいと言われているようなのですが,それならば,もう自然のままにさせてほしいと言っている」ただ,奥様としては,それをしたら何かいいことがあるならば,してもいいのかと迷っているというお話でした。入院相談のときに,「そういうのはどうしたらいいんですか?」と相談を受けて,私たちも患者さんを診察しているわけではないので,どちらがいいというお話はもちろんできないわけです。ただ,そのお話をしている中で,私のほうから「奥様の目から見て,患者さんはこの半年間どんな様子に見えますか?」と伺いましたら,「暮れくらいからずいぶん弱ってきているように思う。
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