緩和ケア教育のエキサイティングなところは,それにかかわる人たちに一括して教育を行いうる可能性があるということがあげられるということです。
それから在宅ケアについての教育です。
新しいスタッフを迎えた場合には,オリエンテーションをじっくりと行います。組織についての勉強も当然含まれます。ナースのためにはそれぞれの過去の経験に基づいて個別のプログラムを組みます。それから,新しく在宅ケアをやるナースに対しては1週間,医師やナースなど他のプロフェッショナルと一緒に行動してもらいます。それからロールモデルを採用しての教育をします。つまり担当教師を一人ずつ付け,1週間に一度はその担当教師と必要な教育について話し合いをします。一般に新しいナースは腫瘍の知識が十分ではありませんからそれについて教育するとか,霊的なケアももっとよく教えなければならないでしょう。そのためにはいちばんいいロールモデルになる人を見つけて,その人と一緒に働いてもらうこともできるでしょう。
スタッフから提案された特別のニーズに注目して,それに応えるということは,最後にいい効果が期待できます。グループトレーニングでやることもよくあります。昨年の経験ですが,新しいナースの何人かがどうもカウンセリングのスキルが不十分だと思ったので,8時間コースを組んで彼女たちにホスピスの中で教育をしました。施設内でできなかったら外ででもそれができるように何とかしなければならなかったと思います。
重ねて言いますが,在宅ケアのトレーニングの重要なポイントは毎朝1時間のミーティングを行うということです。その時に患者さんの問題をレビューします。過ちを犯したらその過ちから学習するということです。過ちからきちんと学習するということが私たちが自らに課す基準としています。
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