?.緩和ケア教育プログラム
緩和ケアトレーニングの特殊性
次に教育についてお話ししたいと思います。英国では緩和ケアにおけるマルチプロフェッショナルを対象とした修士課程があります。大学制度の中でいろいろな領域にまたがる試験制度をどうつくるかというのもおもしろい試みだと思います。
これから新たにコースをつくるためには,マルチプロフェッションという視点でやっていただきたいということです。英国で主張しているのは看護の博士課程もしくは医学の博士課程ということではなく,トピックス別の博士課程をつくるということです。
ナースのトレーニングは第1日目からコミュニケーションのとり方と死にゆくプロセス,そして緩和ケアについての教育をしていく必要があると思っています。緩和ケアが看護教育の中で独立したものとしてあるのではなく,全体の仕事に緩和ケアが浸透していかなければならないと思っています。ナースはどの病棟で働こうとも,死にゆく患者さんに直面せざるを得ないからです。
緩和ケアのトレーニングは他となぜ違うのでしょうか。
まず.緩和ケアというのは新しい分野で,歴史は30年しかありません。また,いろいろな背景や環境の中で緩和ケアが要求されています。そして,複数のプロフェッショナルが一緒になって仕事をしています。そして,常に人が亡くなり,喪失感を覚えるということに直面しなければならないという特異な状況の中で仕事をすることになります。
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