?.在宅ホスピスケアの現状
在宅ケアのたどった道
私(PennySmith,R.N.)は15年ほど緩和ケアに携わっています。最初は病棟のマネージャーをしていましたが,ここ10年間は南ロンドンの在宅緩和ケアのマネージャーとして仕事をしています。1週間に2日間は実際に私も患者さんを訪問し,あとはスタッフのマネージメントをしています。それからデイケアセンターも私の責任となっています。デイケアセンターというのは,患者さんが在宅でケアを受けている場合には非常に有効に活用される機関になっていると思います。
では,これから在宅の緩和ケアがどのようにして発達してきたかについてお話ししましょう。
英国には在宅でケアをするチームが400以上あります。英国では必ずファミリードクターがいますし,それからディストリクトナース(地域看護婦)がその患者さんの面倒を見るという体制になっています。ほとんどの人は聞かれれば「死ぬんだったら自宅で死にたい」と答えます。しかしながら,英国全体でみると実際に自宅で亡くなっている人は27%にすぎません。もしもスペシャリストの緩和ケアチームが在宅でケアに当たることができれば,この数字はおそらく60%くらいに上がるでしょう。ホームケアチームが病院に付設していないような場合には自宅で死ぬ率が高くなります。
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