ただ食器が空になったというのは誰でもわかることですから,そこにどういうサイエンティフィックな観察をしたかが問われているということです。それがなされて初めてデータになるのです。証拠に基づいて組み立てられたデータが,私たちの考える礎石になっていくのです。そして,そういう証拠になるデータに基づいて組み立てられた医学や看護がEvidence Based MedicineもしくはNursingといわれるものになる(表4)。
最近,これがとても話題になっています。科学的根拠がなければ,せっかくやったリサーチも意味がないことになる。文献を読むときにも,たくさんの情報の中からどれは信頼がおけるものなのか,どれが不確実なものなのかをよく見極めることが必要です(図1)。
共有できるデータ作成のために
最初にお話ししたアメリカの例からもわかるように,患者の健康問題は医師や看護婦だけが関与するものではありません(図2)。患者のデータはますます大勢のスタッフに共有される時代になってきました。ただし,それぞれの専門性によってアプローチの道筋が違う。医師は医学の方向から,看護は看護,ソーシャルワーカーは生活の方向からアプローチしていくのですが,それをそれぞれチームでやっていく。データは一緒に解析する。そして問題解決に当たる。
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