?.Evidence Based Medicine and Nursing
問題解決のためのデータとは
バイタルサインや病歴は正確なものでなければ,それを使って次のプロセスに進んでいくことはできません。なぜなら基礎となるデータが信用できないからです(図1)。
皆さんがチャートに書くときに,皆さんの書くデータはどれだけ信頼性のあるものなのか,どれだけ確証のあるものなのか,そしてそのうちのどれは不明確であるのかをきちんと区別して,確実なものだけを取り上げて問題解決に利用しなければなりません。これまでのデータというものには,正確なものと不正確なもの,あるいは曖昧なものまでが含まれて判定されていた。
実際にあった話ですが,明日は退院してもいいといわれた患者さんが家庭の事情で退院したくなくて,検温の時に体温計をこすって39度近くまで上げて退院の引き延ばしを図った例がありました。また,ドックで血液の比重が低くて腎機能が悪いのではないかと疑われた人が,再検査の時に尿に水道水を足しました。もう一つ,肺機能検査の時に,若い技師から「息を吐いて,吐いて」とお尻を叩くように言われるのが嫌で,いい加減なところで息を吐くのをやめてしまったという人もいました。
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