こういうことを考えると,その時の検査の数値が正常値から外れているからといって病気だというのは間違っている場合もある。つまり,臨床検査のデータをそのまま客観的なデータということはできないのです。皆さんがデータを見るときには,正常な状態で正しく検査されたものなのか,あるいは何かほかの,たとえば内服薬の副作用の要素が加味されたものなのかをよく分別しなければなりません。
これからはナースの役割もアメリカと同じように二極に分離していくでしょう。看護のレベルが高くかつ医学の知識も備えていて医師と協働し,臨床のデータを活用して教育や研究に貢献していくタイプ,そしてもう一つは,ナースの指示に従って忠実に仕事をしていくワーカー。この二つの道のどちらを選ぶのか,皆さんはよく考えなければならない。
アメリカやカナダでは,卒業したてのナースも卒後10年のナースも給料はほとんど同じです。資格をとるにつれて給料が上がっていくシステムです。
皆さんも毎年毎年成長していくナースでなければなりません。同じことを繰り返すだけでは仕事の面白さも感じられないのではないでしょうか。
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