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ご挨拶

 

国際相撲連盟

会長 笹井章

 

 外務省、文部省、(財)日本オリンピック委員会、(財)日本相撲協会、テレビ朝日のご後援と、日本財団の特別ご協賛を得て、第7回世界相撲選手権大会がここ両国国技館において盛大に開催されますことを心よりお慶び申し上げます。

 ご高承の通り相撲は、長い歴史と伝統をもち、人々が手塩にかけて慈しみ育ててきたわが国の文化遺産であります。単に勝ち負けを争うゲームではなく、礼の重視と心・技・体の練磨によって社会有用の人間形成をめざす武道としての相撲が広く世界に普及し、数多くの人々に愛好されるに至りましたことを誠に喜ばしく存じます。 お陰様で今日、世界の5大陸6地域でそれぞれ大陸相撲選手権大会が開催され、国際相撲連盟加盟国も80ヵ国を数えるまでになりました。こうした相撲の国際的普及の状況を高く評価し、国際オリンピック委員会は本年1月30日、国際相撲連盟の国際競技連盟加盟を承認いたしました。これて相撲のオリンピック種目入りの前提条件がクリアーされ、将来への展望が大きく開けるところとなりました。

 これまで毎年わが国で開催してまいりました本大会も、来年度は愈々国境を越え、遠くドイツ・リーザ市に場所を移します。恐らく南米や北米での開催がこれに続き、世界相撲選手権大会は文字通り世界がその開催を共有することになると思われます。 本日開催の世界相撲選手権大会は、相撲の宗主国日本におけるここ当面の区切りの大会となります。従って本大会に参加の選手諸君は、これまでの集大成として心・技・体一如、持てる力の全てを発揮して、正々堂々悔いのない戦いを進めて頂きますとともに、大会を通じてお互いの友情と信頼を確かめ合い、国際友好親善の実を挙でて頂くようお願いいたします。

 終わりに臨み、大会の開催と運営にご尽力賜りました大会役員・関係者の皆様に深甚なる謝意を表し、併せて本大会の成功とドイツ・リーザ市に焚ける次回のご盛会を祈念してご挨拶といたします。

 

 

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