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そして、さらには、環境保全の意識を皆さんにもつてもらうために、環境への理解を深めていただくための環境教育が重要です。そういうことを通じ、全体として環境保全型社会の構成員というものをだんだん増やしていくということが必要になってこようかと思っております。そういう観点からすれば、環境情報、それからアセスメント、そして参加、環境教育というものを横軸として十分に展開し、縦軸として環境全体を覆う温暖化の問題、そして生物多様性の問題などをしっかり推進していくというのが、環境行政の新たな展開の方向だと思っております。そのことによって、いくらかでも目標に近づくことができればというように思っております。

 ここまで、ちょっと時間をオーバーしながら、環境行政の過去と現在、それから将来について簡単にふれました。環境行政の将来というのは、決して、バラ色ではないと私は思っております。むしろ、今が正念場というように思っております。今後環境保全型社会を構築するという環境行政が進展するかどうかは、これまで述べてきましたように、それは住民の方々、市民の方々のリードがどうあるかというところが非常に大きいと思っております。極端に言えば、そういう動きの中で決まっていくんだというように思っております。

 私ども、今後とも環境行政をしっかりやっていきたいと思いますが、先ほども言いましたように、住民の方々、NGO等団体の方々等々、多くの方々の叱咤激励、これが行政を進める力でございますので、どうぞよろしくお願いしたいと思います。

 つたない話でございましたが、今後の環境行政へのご協力をお願いいたしまして、私の話を終わりたいと思います。どうもご清聴ありがとうございました。(拍手)

【司会】世の中が変わり、環境庁もその前から少し変わってきたと。これから環境行政についていろいろやりたいというお話でございました。審議官、ありがとうございました。(拍手)

 この2日間で、例えば西島先生の言葉を借りると、今まで神のなせるもの、それを人のカで及ぶようになったと。しかし、いつまでも経済発展はありませんぞと。自然も環境も地球も無限ではない。破壊をやめよう。ごみの量を減らそう。生活の態度を考え直そうと。そういうお話がありました。吉良先生の言葉によりますと、持続的な発展をするような生活をしよう。また、人間だけでなく、すべての生物との共生が必要だというような、超優れた先生方のお話がありまして、なんとなく私たちもほっとしたような気持ちでございます。

 県庁の玄関のところに、暮れなずむ琵琶湖のポスターがございまして、そこにはマザー・レイク・ビワコと書いてあるんです。それから、「これは母なる湖琵琶湖、預かっているのは滋賀県です」と書いてあるんです。この環境県で、この新しく美しい芸術劇場で、自然と未来の子どもたちの命を預かります、そういうような環境とナショナル・トラスト講座であったと思います。皆さまのご協力を感謝します。

 【事務局】21世紀に伝えたい環境。環境とナショナル・トラスト講座1998。11人の先生方の講座をすべて終わりましたが、是非、皆さま、ご感想などをアンケートにお寄せいただきますよう、お帰りに回収箱にお入れくださいますようお願いいたします。どうもありがとうございました。(拍手)

 

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