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グループホームの住まいに関する調査研究報告書


    グループホームの住まいに関する調査研究レポート 5 福井大学 桜井康宏


      カサ・デ・マーヤ、グランコスタ21 ビエント、リベルタ

所在地 石川県小松市内4カ所

設置年月 90年4月、92年4月、94年4月、97年4月

運営主体 社会福祉法人佛子園

住居形態 4カ所とも戸建て住宅の賃貸

バックアップ施設 知的障害児施設仏子園

世話人居住形態 4カ所とも通所型(リベルタの世話人が全体を統括)

認可形態 国認可施設

定 員 いずれも4名

入居者属性 カサ・デ・マーヤ
48才夫→市の清掃関係に就業
38才妻→人間関係に失敗して失業し、職安通い
32才男性→繊維関係に就業
21才男性→人間関係で3日前に失業

グランコスタ21
24才男性→鉄工関係に就業
25才男性→食品関係に就業
25才男性→同上
26才男性→陶磁器関係に就業

ビエント
45才男性→機械関係に就業
44才男性→惣菜関係に就業
23才男性→弁当関係に就業
23才男性→11月に入浴中のてんかん発作で死亡

リベルタ
42才男性→陶磁器関係に就業。自転車を3台もち通勤も自転車。アパート暮らしを10年経験
31才女性→弁当関係に就業
22才男性→オシボリ関係に就業

ホームの背景 社会福祉法人佛子園は、泉鏡花ゆかりの妙林山行善寺を母体に知的障害児施設仏子園(1960年設立、定員60名)、知的障害者更生施設星が同牧場(95年設立、通所30名、入所30名)のほか、自立小舎柿の木の家(1986年設立、定員10名)、ケアハウス(1980年設立の治療訓練棟)、明和養護学校松任分校、松任はまなす海洋クラブ等を地域の中にもち、知的障害児者の自立に向けた多様な取り組みを展開し、能登地方の国定公園内に新たな「地域おこし」の核として地ビール生産・レストラン・緑地管理を中心とした小舎制授産施設の計画も進めている。

自立小舎柿の木の家から巣立った人数は過去35名で、このうち16名が上記のグループホームに入居している(その他は一般アパート、自宅、授産施設への入居)。
なお、自立小舎での自活訓練は高等部卒業後の2年間とされている。また、仏子園への過去の入園生は268名、退園生は211名である。
法人では「今後も2年に1戸の割合でホームを増やしていく」とのこと。また、「公営住宅の建替時に事前に相談がほしい」との希望も出された。

住まいの特性 ホームはいずれも普通の戸建て住宅で、居室(個室および2人室)の他に共用の居間(和室の茶の間)、DK、バス、トイレをもつ。
個室内の家財道具、私物(プラモデル、趣味の収集品等)が豊富なものが目だち、他の事例と雰囲気が大きく異なる。また、世話人の一人が「それぞれ自分のことで忙しい」というほど、各個人の生活が確立が進んでいることが伺われ、自立小舎での体験や一般就労による生活体験が影響しているものと考えられるが、検証は今後の課題である。
経済的には、給料7〜10万円、年金と合わせて15〜17万円で、家賃負担が2万円、食費3万円、共益費1万円。






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