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グループホームの住まいに関する調査研究報告書


    グループホームの住まいに関する調査研究レポート 5 福井大学 桜井康宏


      たんぽぽグループホーム

所在地 滋賀県彦根市賀田山町522−2

設置年月 97年4月

運営主体 社会福祉法人ひかり福祉会

住居形態 独立建物(90年1月開設の生活実習ホームに増設)
土地建物とも法人所有

バックアップ施設 通所授産施設たんぽぽ作業所

世話人居住形態 週4日宿泊(月〜木)
作業所職員経験者の40才代女性
週末はボランティア宿泊(作業所職員を含む)

認可形態 国認可施設

定 員 5名+ショートステイ1名

入居者属性 50才女性(知的障害)
47才女性(知的障害)
38才女性(ダウン症。食事に長時間要す)
38才女性(重度身体障害重複。ただし、横たわって自力で食事したりフトン敷きを行うなど生活力あり)
41才男性(てんかん。新聞を読んだり外部の物事を自分との関わりで考えられる)
ショートステイ女性(母親の死亡にともない、97年9月から彦根市の同一法人経営の社会就労センターで作業に従事。金〜日は大津市の妹宅に宿泊)

ホームの背景 作業所通所者の緊急一時保護問題に端を発して81年に家族アンケートを実施
→83年に集会所を借りて宿泊体験実習
→85年に作業所内和室で臨時生活ホーム(119日間)
→生活実習ホーム建設準備会
→86年に第1号ホーム開設
(世話人の事情で2年間で閉所)
→90年1月たんぽぽ生活実習ホーム開設
→第2号ホーム(芹川ホーム)開設。

上記の蓄積の上に、96年度の滋賀県グループホーム整備補助金制度の創設を受けて、空間的にも設備的にもモデル的グループホームと位置づけ、個室保障、介護リフト付き浴室等を実現した。敷地は作業所に隣接。

世話人の勤務時間 月曜(12:30〜21:00)
火〜木曜(7:00〜9:30、15:00〜21:00)
金曜(7:00〜15:30)
週末のボランティア宿泊者の滞在時間は21:00〜7:00

ボランティア登録 入浴担当14名、宿泊担当11名
(現在) 食事担当2名(木曜日)、環境整備2名。

住まいの特性 居間・DK・和室・浴室・便所等で構成される生活棟(元の生活実習ホーム)と中廊下式の居室棟の2つの部分に大きく分かれている(中央に玄関がある)。
また、実習ホームの性格をもつため生活棟部分は十分な広さがある。
この空間構成について世話人からは「広さがあるおかげで、いざこざがあっても逃げる場所がある」といった表現で評価された。
居室内の家財道具類は少ない。

生活の展開の中で一定の役割分担
41才男性→朝:床の掃除機かけ、夜:風呂沸かし
ショートステイ女性→朝:洗濯物干し、トイレ掃除
ダウン女性の介助、夜:食後の片付け、洗濯物干し
38才女性→朝:モップかけ、夜:火の監視と始末
ダウン女性→洗濯物たたみ
47才女性→朝:朝食準備、ストーブ管理、絨毯掃除、ゴミ捨て、夜:買い物、食後の片付け
金曜日は作業所のマイクロバスで各自宅へ帰宅。

法人の総評 グループホームの国基準は、入居する障害者の社会参加の幅を広げているが、ホームを支える職員の労働条件を改善しなければ、グループホームの施策は前進しにくい。






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