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グループホームの住まいに関する調査研究報告書


    グループホームの住まいに関する調査研究 3 横浜国立大学 大原一興 横浜市内における知的障害者グループホームのケーススタディー調査 −報告書− 1998年1月 横浜国立大学工学部


      グループホームグリーンハイツ

1-概要

住所 横浜市都筑区見花山3-47

電話/FAX 045-941-8883

開設年月日 1994年5月

運営の主体 グループホームグリーンハイツ運営委員会
2軒運営…グループホーム「ビーンズ」(都筑区川和台)
3軒目開所予定で準備中

支援、後援団体 なし
(運営委員長は作業所も運営)

定員 5名

入居者数 男性4名 女性1名

建物形態 木造2階建テラスハウス 1棟2軒分

運営方針 職員は必要に応じて援助する

2-開設まで〜現在に至る経緯

開設経緯 現在のグループホームの運営委員長は、以前から作業所を運営していた
そこの通所者の中で、親子関係が上手くいかない人や、親が転勤することになったが本人はこの地域に残りたいという人がいて、作業所という日中のみの対処ではだめだということを感じ、また成人した障害者がいつまでも親元にいてはよくないと考え、グループホームを作ることにした
開設までの準備には2〜3年かかった
・グループホームの勉強
・親への説明
・運営委員への説明 など
・1994年5月 「グリーンハイツ」開所
作業所の通所者も増え、2軒目を作ることにする
1997年4月 「ビーンズ」開所
設計段階からすべて計画したグループホームである
現在3軒目の開所準備中(入居者選考終了)

地域との関わり グループホームが多い地域である
(徒歩10分以内に3軒…ビーンズ、A型で身体障害者用のもの、B型のもの)
新興住宅地で土地があり、また理解ある地主が多い

同運営ホームとのつながり
・入居者内のつながりは特にはない
町内会の行事などで会う
・職員はお互いに非常勤で入り合うこともある
月1回合同の職員会議がある

退所者 1名(女性)
1年間で退所

3-生活

生活日課 食事は入居者の都合によるが、基本的に全員で一緒に食べる
夕食 19:00〜

土日 閉所するわけではないが、たいていの入居者が帰省する
金曜日の仕事後、帰省する

行事
・誕生会
・買い物へ行く など
職場での行事が多い

生活状況
・洗濯は各自でする
・他の入居者の居室には入ってはいけない
職員も入ってはいけないことになっているので、掃除も各自でする
(時々掃除をするように声をかける)

4-職員

職員数
常勤 2名(女性)
非常勤 2名

勤務時間 15:00〜翌10:00
常時1名
交代で勤務し、常勤が休みのときは非常勤が勤務

職務内容 生活援助

ボランティア アルバイト 基本的になし

職場等との折衝 必要以上にはない

家庭との関わり 必要以上にはない

5-入居者

主な収入 年金+給料
年金+給料+仕送り(2名)

グループホーム生活による変化
・意志を出せるようになった
以前は、「嫌」ということを言えない入居者もいた
・親子関係がよくなった

6-建築形態

構造、形態 木造2階建テラスハウス 1棟全部分(2軒分)

規模 敷地面積 271?u
延床面積 160.29?u

建築年数 3年半(1994年開所時新築)

権利関係 賃貸借権

家賃 月370,000円

建物概要
・居室 5室
・体験入居室
・職員室
・台所、食堂
・浴室 2ヶ所
・洗面所 2ヶ所
・トイレ 2ヶ所
居室、トイレ、浴室は建物の半分で女性用と男性用に分けている

居室 職員も立ち入ることはできず、プライベートを守っている

便利な点 浴室、洗濯機が1階にあるので、職員が入居者の生活の様子をうかがうことができる

不便な点 テラスハウスなので音が響く

入居のしおり

グループホームはどんなところでしょうか?

(1) 自立生活の場
・月々の生活のやりくり、お金の管理、買い物、掃除、洗濯など、自分で出きることは自分でやらなければなりません。
・しかし、どこまで自分でやっていけるかは、人によってさまざまです。
・頑張りすぎないでください。
・自分で出来ないことは職員が手伝います。
・どこまで手伝うかは、話し合って決めます。

(2) 自分の生活は自分で決める
・朝起きる時間、食事の時間、門限などの決まりはありません。
・仕事の帰りに遊んで帰ってくることも自由です
・自分の生活は自分で決めてください。
・生活をしていく上ではいろいろな危険が付きまといます。その人がそれらをとのように考えるかは他人が侵すことの出来ない権利であり、危ないからという理由で職員がストップをかけることは基本的にいたしません。
・自分で決めたことは、自分で責任をもってください
・しかし、他人に迷惑をかけたり、とり返しのつかない危険をともない、自分で解決出来ないような場合は職員が援助させていただきます。

(3) グループホーム、は生活の場
・グループホームは入居者が生活するための自分の家です。
・食事の内容や誰からお風呂に入るかなど、生活の事は入居者で決めます。
・入居者だけで決められない場合は、職員が援助します。
・入居者個人の部屋は、プライバシーが守られなければなりません。家族や職員などが本人の許可なく勝手に部室に入ることは出来ません。
・グループホームは共同生活の場です。自分の生活を大切にするのと同じように、他人の生活も大切にしてください。

(4) グループホームの運営
・グループホームの運営は運営委員会が行います。
・一人一人の生活については本人が決め、その結果については自分で責任を負うことを原則とし、運営委員会はタッチしません。


















































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