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グループホームの住まいに関する調査研究報告書


    グループホームの住まいに関する調査研究 3 横浜国立大学 大原一興 横浜市内における知的障害者グループホームのケーススタディー調査 −報告書− 1998年1月 横浜国立大学工学部


      グループホームれいんぼう

1-概要

住所 横浜市神奈川区三ッ沢下町9-15トロワバレーA

電話/FAX 045-319-1307

開設年月日 1997年4月7日

運営の主体 グループホーム・ぶりっじ運営委員会
3軒運営…グループホーム「今人」(神奈川区広台太田町)
グループホーム「来夢」(神奈川区平川町)

支援、後援団体 『よこはまエバーグリーン』が支援
(障害児・者を持つ家族のグループ)

定員 女性5名

入居者数 女性4名
(1998年より5名になる予定)

建物形態 軽量鉄骨2階建アパート 2階2LDK3世帯分

運営方針
1. 入居者には指示と指導で対応するのではなく「支援」を基本とする
2. 自分の生活は他の人の干渉を受けず入居者自身で管理していく
入居者の方への介護、援助は入居者の方の合意を前提とする
3. ホームでの生活は互いの生活を尊重し、入居者同士でマナーを決め、守る
4. 支援者は実際の生活支援、介護でも入居者のプライバシーを確保する
(人権、個人の尊厳を基調とした支援を柱とする)

2-開設まで〜現在に至る経緯

開設経緯
・1993年1月 入所施設に勤めていた職員でグループホームを作りたいという人がいて、運営委員会ができ、1軒目のグループホーム「今人」が開設
・1995年5月 要望が出て、2軒目のグループホーム「来夢」が開設
車椅子利用の知的障害者の女性とその母親が、女性のみのグループホームを作りたいということで活動していたところ、この運営委員会に出会い、3軒目として作ることにする
(この親子の5年間の積み重ねによって開設された)
女性のみの理由
・男性が一緒だと家の中で楽な姿をし難い
・肢体不自由者は、男性に見られたくない姿もある
・女性のみだと優しくなれる
・男女混合は親にとっては異性間の問題が心配である
開設前1年間 食事、宿泊訓練などをしながら入居予定者の仲間作りをしていく
開設準備では、特に母親たちからのいろいろな要望が強かった
この1年間があったためグループホームを共に作ってきたという思いがある
・1997年4月7日 開設

住居探しの状況 2年かかった
入居者の職場に近いことと、肢体不自由者の条件に合うものを探した
条件に合った建物を新築しても良いという大家さんもいたが、入居者の生活地域と離れてしまう場所だったため、あきらめた
この物件は、地理条件が良いことと、車椅子用リフトを設置しても良いということで決定した

建物改造点
・外階段に車椅子用リフトを設置
・職員室を増設
1室の台所を壁で仕切る
・トイレに手すりを付ける

運営委員 15名
・各グループホーム職員
・各グループホーム父母
・各グループホームの地域の人 など

同運営ホームとのつながり 特にはない
1名の職員は、ここの開所前は1軒目にできたグループホームで勤務していた

3-生活

生活日課
・6:30〜8:00くらい 朝食
・8:30までには全員でかける
出かける時間に合わせ各自で朝食を準備し食べ、出かける
・16:30〜18:00 帰宅し、それぞれ居室でのんびりする
・18:30〜 夕食、団らん
食事は全員で一緒に食べる
食後1〜2時間は居間で団らんをしたりテレビを見たりする

土日 閉所
金曜日の仕事の後、そのまま帰省する

行事
・誕生会
・カラオケ
・忘年会 など

4-職員

職員数 常勤 2名(女性)

勤務時間 15:00〜翌10:00
交代で宿直
具合の悪い入居者がいると、日中も勤務しなくてはならない時もある

職務内容 一番重要なことは入居者の話し相手になること

ボランティア アルバイト
・夕食ボランティア(無償) 2名で交代
・送迎ボランティア(有給) 1名
歩行困難な入居者2名の送迎
・ボランティアサークル
年6回、旅行や外出することを計画し、一緒にでかけてくれる

職場等との折衝 何かあったらお互いに連絡

家庭との関わり 何かあったらお互いに電話連絡
開所1年目なので、お互いに様子を知らせるためにノートを利用
月1回くらいグループホームに来る親もいる

5-入居者

主な収入 年金+生活保護(2名)
年金+仕送り(2名)

入居費(月1名) 家賃 37,500円
共益費 15,700円

6-建築環境

構造、形態 軽量鉄骨2階建アパート 2階2LDK3室

規模 延床面積 111.78?u

建築年数 10年くらい

権利関係 賃貸借権

家賃 月320,000円

建物概要
・居室 4室
・体験入居室 1室
・職員室
・台所、食堂
・居室1,2入居者専用台所
・浴室 3ヶ所
・洗面所 3ヶ所
・トイレ 3ヶ所
各部屋エアコン付き

共用空間
・食堂
集まって団らんすることが多い
・居室1、2前のスペースは、居室1,2の入居者の共有空間
朝食はここで各自で作って食べる
ここにある家具、電化製品は居室1,2の入居者でそろえた

居室 家具は各自で持ち込み

便利な点 ・駅に近い

不便な点
・狭い
特に浴室がユニットバスのため狭い
・補助の手すりが最低限度にしかつけられなかった
・2階である
1階の住民に迷惑がかかることもある
・外階段に明かりが無い
・駅には近いが、地下鉄のため入居者には利用できない
地下なので階段が多い上、エレベターが無い

その他(グループホームに関する意見) 現在過ごしている状況は最低の条件である

障害児・者を持つ家族のグルーブ「よこはまエバーグリーン」が支援する

グループホーム「今人」「来夢」
「れいんぼうー」(ぶりっじ運営委員会)

入居のしおり
《父母、家庭用》

グルーブホーム・ぶりっじ運営委員会
連絡先 横浜市神奈川区平川町2-1 石井KOシティー303号
グループホーム「来夢」 気付
電話 045-482-0774 代表 鈴木三郎

しおりのご案内

◎ グループホームとは(親、家族が元気なうちにこそ、自律、自立への「巣立ちを」…………(1)
◎ 生活の場だからこそホームを疲れた体をいやし心安らぐ場にこれが生活援助、支援の柱です………(2)
◎ 入居されている方への援助者の援助、支援内容………(3)〜(4)
(食事の提供 ハウスキーピング 金銭、財産管理 医療、保健 洗濯、見だしなみ 余暇 娯楽 その他)…………………(3)
(福祉事務所、就労先など 関係機関、家族との連絡調整)………(4)
◎ 入居者の負担金(在宅援護協会の助成金を原資にして)………(5)
(家賃 光熱水費、共益費、食事代など)
※ 添付資料 在宅援護協会の助成金内訳(市の補助)………(6)

入居を希望される方(家族の)へ

「今人」「来夢」「れいんぼうー」は障害児・者持つ家族のグループ「よこはまエバーグリーン」が後援しています。ですから安心です。
グループホームでの生活を希望される方は福祉事務所のワーカーさんにご相談して下さい。又、直接、運営委員に相談をして下さってもかまいません。体験入居もできます。

※ エバーグリーンではハンディーを持つ方、家族の方への支援活動をしています。もし、よかったら、あなたも参加してみて下さい。

生活の場だからこそ、ホームを体の疲れをいやし、心安らぐ場に!

人は誰でも、生活の場と働く場で自分を他の人に認めてもらい自分を生かし、苦手なことは回りにカバーしてもらいながら、人間関係をつくり自分の人生を選択し切り開いていきます。
でも、それは、生活の場で体と心の安らぎがあり、心の整理ができこそ可能です。グループホームでは支援者に愚痴も受け止めてもらいながら入居者自身が、明日への希望と安心を持つことができるようにします。
ですから、支援者は入居者との人間的信頼関係を大切にし、日々の生活支援と介護をしていきます。
人の心の扉の把手は決して,心の外側にはありません。心の内側にあるものです。心を開き、内面の悩みや思いを支援者に打ち明けられてこそ支援者は本当の支援と援助ができます。
支援者は入居者の方の喜びに共感し、悲しみ、辛さに思いを寄せ悩みを聞きながら、時には間をおき、そっと見守る形で・・・入居者の方に心の扉をひらいてもらえたら、サポートをします。

入居者への生活援助と支援・介助について

(1) 入居者には指示と指導で対応するのではなく「支援」を基本とします。

(2) 自分の生活は他の人の干渉を受けず入居者自身で管理していきます。
入居者の方への介護、援助は入居者の方の合意を前提とします。
(3) ホームでの生活は互いの生活を尊重し、入居者どうしてマナーを決め守ります。
(4) 支援者は実際の生活支援、介護でも入居者のプライバシーを確保します。(人権、個人の尊厳を基調とした支援を柱とします。)

親、家族が元気なうちにこそ、自律、自立への「巣立ち」を!
御存知ですか。障害を持つ方の生活を支援する生活の場=グループホームを!

ハンディーがあっても、地域の中で個性の尊重される生活を!

グループホームは、知的、身体的なハンディーを持つ方が親元(兄弟姉妹含む)を離れ、地域で、管理された生活でなく、自立と自律をめざして支援者にお手伝いをしてもらい暮らしをつくっていく場です。(4人〜5人のグループで)
昼間はそれぞれが作業所や授産施設、職場へ通っています。そして、みんなと暮らしながら、街の中にとけこんで生活していくところです。

ホームは生活支援の場です。できないことは職員が支援し介助します。

仕事で疲れたり、時には人間関係で悩んだりすることは誰でも同じ。
又、病気になったり、生活のことで困ったりすることもあります。そんな時は職員に相談をし自分で解決できるようにしていきます。
洗濯、掃除炊事など身の回りのことは、できるだけ自分でやることにしています。でも、金銭の管理とか食事をつくることなど、自分でできないことは、職員に介助と支援をお願いしてかまいません。

親、家族が元気なうちにこそ自立への「巣立ち」を!そして自立を!

親元から離れて暮らすことは、人間誰もが最終的に選ぶ道。でも「障害があるから心配」「親が元気なうちは親元で」とつい、巣立ちを遅らしてしまうのが、私たち親、家族です。
自立へのチャレンジ・・でも時には失敗もあり、めげることだってあります。そんな時、家族の励ましがあれば、又、チャレンジできます。親、家族が元気なうちにこそ自立への「巣立ち」が大切です。

グループホームでは個人の意思が最大限尊重され、入居も本人が決めます。

グループホームは入所施設と異なる点もあります。それは本人が希望をしていることが第一条件です。入居にあたり、親、兄弟の意思を一方的に押しつけないで下さい。話し合いが大切です。
又、施設と違い一人一人が部屋を持ちプライパーシーや個性が尊重されています。自分の時間は自由に過ごす事が出来ます。でも反面、自分のことは自分でやり、きびしい面もあります。










































































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