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グループホームの住まいに関する調査研究報告書


    グループホームの住まいに関する調査研究 3 横浜国立大学 大原一興 横浜市内における知的障害者グループホームのケーススタディー調査 −報告書− 1998年1月 横浜国立大学工学部


      グループホームカンガルーの家

1-概要

住所 横浜市戸塚区汲沢8-5-1

電話/FAX 045-863-0285

開設年月日 1991年1月1日

運営の主体 グループホームカンガルーの家運営委員会
2軒運営…グループホーム「第2カンガルーの家」(戸塚区名瀬町)

支援、後援団体 戸塚区泉区栄区 手をつなぐ育成会(母体)

定員 4名

入居者数 男性2名 女性2名

建物形態 木造2階建 1階店舗用住宅2軒1棟のうちの1軒

運営方針 特になし
(自立に向けて)

2-開設まで〜現在に至る経緯

開設経緯 元々ここは、現在のカンガルーの家運営委員長が運営委員長を務める地域作業所として利用されていたが、戸塚区に活動ホームができ、そこへ作業所が移転し家が空いたので、グループホームにしてはと提案された
「手をつなぐ育成会」へその話を持っていったところ、作ろうということになり、「手をつなぐ育成会」が母体となることになる
その会の中から入居希望者を募ったところ、男性4名が希望した
1990年11〜12月 準備期間
体験入居など行う
1991年1月1日 開所

建物改造点
・2階トイレ
元々あったものを大家さんがつぶして物置としていたが、ウォシュレット付トイレに改造
・ユニットバス
浴室が無かったので新たに付けた
・2階押入れの戸
廊下側に戸があったが居室1内に変えた
元々は1階にも個室があったが、作業所として利用する前に壁と押入れを抜いて床張りにした

地域との関わり 障害者への理解度が高い地域である
元々作業所として利用していた所なので、地域住民へのなじみもあった

運営委員 地城の人に入ってもらう
知ってもらい、支援をしてもらうため
(地域の人の理解が一番重要だと考えているので)

同運営ホームとのつながり
・何かある時は職員が手伝い合う
・姉妹で入居している人がいる

退所者 3,4人
自宅へ戻った
・自閉症でグループホーム生活になじめなかった人
・生活環境の変化により、夜どうしても寝付けなかった人
・自傷行動が多く、物(壁、トイレなど)を壊してばかりいた人

3-生活

生活日課
・食事は全員で一緒に食べる
・1階居間でテレビを見るのは22:00まで
(金曜日は23:00まで)

土日 隔週の土曜日、毎週日曜日は閉所
全員帰省する

4-職員

職員数 常勤 1名(女性)
非常勤 2名

勤務時間 16:00〜翌9:00

アルバイト パート 1名(週2回午前中)
掃除、洗濯をする

職場等との折衝 何かあると作業所はグループホームに連絡してくる
親の役割もしている

5-入居者

主な収入 年金
年金+生活保護(1名のみ)

入居費(月1名) 47,000円
うち光熱費 5,000円、共益費(石鹸など) 2,000円
食費が余った場合は返金
家賃が安いので、入居者の年金内でぎりぎり収まる額にできる
入居時に払うのは家賃のみ

グループホーム生活による変化 時間はかかるが、いろいろとできるようになった

6-建築形態

構造、形態 木造2階建 1階店舗用住宅2軒1棟のうちの1軒
元々は新聞販売店

規模 延床面積 90.9?u

権利関係 賃貸借権

家賃 月160,000円

建物概要
・居室 4室(1室は、就寝時のみカーテンで仕切って職員と共同)
・台所
・食堂、居間
・浴室 1ヶ所
・洗面所 2ヶ所
・トイレ 2ヶ所

共用空間
・食後もずっとテーブルの周りでおしゃべりをしている
居室で過ごすことはほとんどない
・テレビは2台ある
それぞれに2台で好きな番組を見ることもある

居室 各居室のベット、たんすはグループホームの備え付け
衣類を持ってくるだけで生活できる
家具、テレビなどは必要に各自で応じ持ち込むが、ほとんどの時間を共有空間で過ごすので、居室に冷暖房設備はなく、テレビを持っているのも1名のみ

便利な点
・商店街の中にある
・バス停のそばにある
・地域の人の理解度が高い
隣は大家さんで、両隣が障害者を持つ家庭である

不便な点
・狭い
・職員室がない

その他
・グループホームとしては入居者5〜6人が理想だが、狭いので無理
・この物件は家賃が安いのでよいが、これからの時代は重度の障害者がどのように生活していくかが問題である


















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