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グループホームの住まいに関する調査研究報告書


    グループホームの住まいに関する調査研究 3 横浜国立大学 大原一興 横浜市内における知的障害者グループホームのケーススタディー調査 −報告書− 1998年1月 横浜国立大学工学部


      グループホーム友の家

1-概要

住所 横浜市磯子区磯子3-11-12

電話/FAX 045-751-7749

開設年月日 1987年10月

運営の主体 グループホーム友の家運営委員会

支援、後援団体 親の会
毎週水曜日に集まる
バザーを企画 など

定員 6名

入居者数 男性4名 女性2名

建物形態 木造2階建一戸建住宅

運営方針 地域の中で、普通の暮らしができるように
(親が亡くなった後も)

2-開設まで〜現在に至る経緯

開設経緯 入居者は高等養護学校での同期生であり、その頃入居者同士は特に仲が良いと言うわけではなかったが、PTA活動を通じ親同士の仲が良かった
・卒業1年後 その親たちが、子供の将来の生活の場についてどうしたら良いのか話し合い、グループホームを作ろうということになった
・卒業2年後 信楽青年寮を見学に行き、この様なかたちならば良いのではということになり、開設準備を始める
家賃なしの生活や、親の亡くなった後のことも考え、当初は“仲間の家”ということで入居者本人の名義の家を持ちたいと考えた
しかし経済的に無理であったので、借りることにしたが、 現在も夢を捨てずに貯金をしている

移転状況
・1987年10月 金沢区富岡にて開所
開設当初より入居者も2名増え手狭になったので、もう少し広い所へ移転しようということになる
神奈川新聞にグループホームの家探しの広告を掲載したところ、現在の家の持ち主が、定年後田舎へ戻るので3年後だったら貸してもよい、と申し出てくれた
そこでその3年間の住居を探した
・1995年 磯子区中原に移転
木造2階建戸建て住宅(元男性独身寮)
現在は他のグループホームが使用している
3年間の予定だったが、早く借りられることになった
・1997年4月 磯子区磯子、現在の場所に移転

改築状況 持ち主からは好きなように改造してよいという許可をもらう
・居室3,4…12畳の1部屋だった
広すぎるので壁で仕切って2部屋にする
・各居室に鍵を付ける
・物干し用ベランダを増築
2階にベランダが無かったので

地域との関わり 現在の場所に引越す前に、家の持ち主が運営委員と一緒に近所に挨拶をしてくれたので、近所の反対はなく、すんなりと受け入れてくれた

運営委員
・在援協職員
・区福祉課職員
・地域住民
・勤労援助センター職員
・ボランティア
・グループホーム職員
・入居者
・親

3-生活

生活日課 食事は全員で一緒に食べる
夕食 19:00〜

土日 閉所するわけではないが、たいていの入居者が帰省する
金曜日の仕事後帰省する

行事
・誕生会
・旅行 など

生活状況 食事の後片付け、共有部分(トイレ、浴室など)の掃除などは当番制

余暇生活 それぞれに趣味を持っている
入居者Fは青年学級の責任者をしており、その行事にみんなで行く

お金の管理 基本的に管理はしていない
家計簿(小遣い帳)の記入を手伝う程度

生活する上での問題点 現在は入居者同士とても仲が良く問題はないが、高等養護学校のときは親が知り合いだっただけなので、開所時はそれほど仲が良くはなかった
開設当初の職員が上手く仲間づくりをしてくれた

4-職員

職員数 常勤 2名(女性)

勤務時間 16:00〜翌10:00
交代で宿直

職務内容
・生活全般
食事、弁当作り、家計簿記入の指導、健康管理 など
・ボランティア手配
など

ボランティア 有給ボランティア 1名(男子)
週1回

5-入居者

主な収入 年金+給料

グループホーム生活による変化
・大人になった
・自信がついた
・自立した
自分の食器は自分で洗う など
・人間関係について知るようになった
・社会性が身についた
・以前はあまり話さなかった入居者がよく笑ったり話すようになり、とても明るくなった
仲間と一緒の生活なので

6-建築形態

構造、形態 木造2階建一戸建住宅

規模 敷地面積 477?u
延床面積 162.308?u

権利関係 賃貸借権

家賃 月300,000円

建物概要 
・居室 6室
・職員宿直部屋兼体験入居室 1室
・台所
・食堂
・和室(談話室)
・浴室 1ヶ所
・トイレ 2ヶ所
・洗面所 2ヶ所
各部屋エアコン付

共用空間
・食堂
全員または数人で−食事、食後のお茶・団らん
個人で−家計簿記入
・和室(10畳)
全員または数人で−人数が多いときの食事、テレビ観賞
個人で−テレビ観賞
各居室にいるより共用空間で過ごすことが多い

居室 家具は各自で持ち込み
・全員ベット
・テレビ所持は2名のみ

便利な点
・広い
見学者や入居者の友人などお客さんが多いのでとても便利である
・台所が広い
入居者と職員が一緒に作業しやすい
・トイレが2ヶ所ある
・増築した物干し用ベランダが非常に便利である

不便な点
・2階にベランダがない
ベランダではなくても各居室から布団や洗濯物が干せるとよい
・浴室が1ヶ所しかなく、狭い
できればトイレ、浴室は各自に欲しい
・台所の柱がじゃまである
・階段が狭くて急である
・玄関が奥まっていて道から分かりづらい
・裏が崖になっていて上にマンションが建っているので、地震が起きたら恐い













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