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グループホームの住まいに関する調査研究報告書


    グループホームの住まいに関する調査研究 3 横浜国立大学 大原一興 横浜市内における知的障害者グループホームのケーススタディー調査 −報告書− 1998年1月 横浜国立大学工学部


      グループホームイルカ

1-概要

住所 横浜市港南区日野8-29-3

電話/FAX 045-843-0782

開設年月日 1996年7月

運営の主体 グループホームイルカ運営委員会

支援、後援団体 なし

定員 男性5名

入居者数 男性5名

建物形態 軽量鉄骨造2階建二世帯住宅

運営方針 特になし

2-開設まで〜現在に至る経緯

開設経緯 ワーキングセンター(障害者の清掃会社)の就労者の中に、家庭の都合でどこかに緊急入居しなければならない人が生じた
そこでそのワーキングセンターを中心に、グループホームを開設しようということになり、入居希望者を集めた
ワーキングセンターの就労者に加え、在援協を通して一般就労をしている障害者に声がかけられた
(地域作業所などにいないとなかなか情報が入ってこないため)
1996年4月 開所予定だったが住居が見つかっていなかった
この時点で女子職員1名採用
職員と入居予定者の親によって住居探しが始まる
1996年7月 開所

建物改造点 外階段に手すりを付けたのみ

地域との関わり 開所前は強く反対され、在援協職員を含め運営委員会と住民との間で、何度も話し合いが持たれた
開所後、特に何でもないということが住民に分かった
町内会に入っているが、行事参加などはない

3-生活

生活日課
・食事は用意されたものをそれぞれに食べる
夕食 18:00〜19:00頃
・リビングにいるのは22:00まで
あまり守られていない
週1回入居者によるミーティング

土日 基本的には土曜日の10:00に開所し、全員帰省する
(入居所の都合により16:00に開所することもある)
現在は土曜日も宿泊したいという要望にこたえて、月1回土曜日も宿泊

行事 なし

生活状況 洗濯は少しずつ入居者もするようになった

余暇生活 居室ではワープロをうったり、字を書いたり、音楽鑑賞をして過ごしている

お金の管理 ほとんどは家庭で管理している
グループホームでは小遣い帳の管理程度

4-職員

職員数 常勤 2名(女性)

勤務時間
16:00〜翌8:00 宿直の日
13:00〜21:00 宿直外の日
16:00〜21:00は常時2名

ボランティア アルバイト
・夕食ヘルパー
・ボランティア 2名
近くの地域作業所の職員が、主に入居者の話し相手として来ている

職場等との折衝 特になし

家庭との関わり 親のほうから関わりを持ってくる人以外は、特になし
グループホームを作りたいという声が親から出たわけではないので、ただ預かってもらっていると考えている親もいる

その他 入居者が男性のみなのに対して職員が女性のみであるのが問題である

5-入居者

主な収入 給料+年金

入居費(月1名)
家賃 34,000円
共益費 15,000円
その他

生活していく上での問題点
・入居者同士あまり仲がよくない
・言語障害のある入居者と他の入居者のコミュニケーションが上手く取れない
ゆっくり話を聞いてあげることができない

グループホーム生活による変化
・自分でお金を使うようになった
・食器洗いや洗濯物干しの手伝いをするようになった
・数字が分かるようになった

6-建築形態

構造、形態 軽量鉄骨2階建二世帯住宅
各階で独立しており、外階段でつながる

規模 延床面積 180.02?u

建築年数 12年(1985年新築)

権利関係 賃貸借権

家賃 月340,000円

建物概要 ・居室 5室
・職員室
・台所 2ヶ所(1階のみ利用、2階は飲み物のカップを洗うときに使用する程度)
・食堂、居間
・浴室 2ヶ所
・洗面所 2ヶ所
・トイレ 2ヶ所
各部屋エアコン付

共用空間
・1階食堂、居間
入居者が集まって団らんをしたりすることはほとんど無い
週1回ミーティングを行う
ソファーを置いたテレビコーナーがある
・2階同部分
普段は使われていない(居室への通り道)
1996年12月に入居したEさんの入居前は、アコーディォンカーテンで仕切
って体験入居室として利用
年3回の運営委員会会議の際使用する

居室 家具は各自で持ち込み
テレビは全員各自で所持

不便な点
・台所が狭い
浴室、洗面所への通路となっているので
・台所を通らないと浴室、洗面所に行けない
・共用空間を通らないと居室へ行けない
・共用空間が割と狭い
・隣接する2居室がふすまで仕切られているだけなので、テレビなどの音がうるさい
開けることができないように止めてある
・外階段である
道路に面しているので、何か起こったときが恐い
入居者が出かけたことに職員が気づかないこともある
(帰宅時、2階の入居者はまず1階に寄り職員に声をかける)
・2階の音が1階に響く





























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