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グループホームの住まいに関する調査研究報告書


    グループホームの住まいに関する調査研究レポート 2 宮城工業高等専門学校 建築学科 本間敏行


      堀越の家

事例考察 (事例については匿名希望)

調査対象8 堀越の家

名 称 堀越の家

所在地 静岡県袋井市県営堀越団地

設置年月 1993年(平成5年)4月

運営主体 社会福祉法人 明和会

住居形態 公営住宅 賃貸

バックアップ施設 精神薄弱者通勤寮 広岡通勤寮

世話人居住形態 隣居

認可形態 国による認可

定 員 定員4名 現入居者数4名

入居者属性 A 41歳 男性 療育手帳B (知的障害)
B 37歳 男性 療育手帳B (知的障害)
C 35歳 男性 療育手帳B (知的障害)
D 35歳 男性 療育手帳B (知的障害)

静岡県袋井市の旧市街地住宅地域、県営団地6棟の一画にあるホームは築14年の4階建階段室型公営住宅の1階の空家を利用して開設された。3DK型で延床面積66.77?uである。公営住宅型グループホームの全国的な先駆例である。3室の内2室を2人部屋として使用し、他の1室を箪笥部屋と称し共同利用している。家賃は月1人当たり10,362円である。世話人は同じ棟内の隣階段2階にグループホーム開設前から居住しており、住民との橋渡しがスムーズにはこんだとのことである。世話人の住居からはベランダごしでホームとの会話が可能であり居住者も安心である。
2人部屋であるが各々の趣味にあわせて物を置いている。食堂と続き間の居室は2人の部屋であるとともに常時あけっぱなしで、居間的にも使用しており団欒、接客、洗濯物の取込、世話人の居場所にもなっており多目的な機能をはたしている。部屋を決める時、北側の箪笥部屋を2人の居室には選ばなかったとのことである。部屋の位置よりも狭いこと、県営住宅の為改装ができないことのほうが問題となっている。また、洗濯機1台分しかスペースが無いため、他の1台をベランダに置いている。また、電気容量(30アンペア)もクーラー2台で限界となっている。もう1戸借り、個室化する計画が進んでいる。
平成5年4月より暮らし始めているためか、最初は音の問題などで誤解があったらしいが、現在では同じ団地内の住民と親しく会話し、自治会活動にも積極的に参加するとのことである。市ではホーム設置前に団地の自治会、同じ棟の住民を対象として複数回に渡って説明会を実施して理解を求めた。交渉の中で棟持回りの班長を、掃除の時全員参加を条件に、免除してもらっている。住民からの要望で、火事が心配と言うことで念の為ホームセキュリテイ(火災報知器、非常ボタン)を居住者負担で設置させられた。無条件というわけにはいかなかったようである。







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