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グループホームの住まいに関する調査研究報告書


    グループホームの住まいに関する調査研究レポート 2 宮城工業高等専門学校 建築学科 本間敏行


      おおひらホーム

事例考察 (事例については匿名希望)

調査対象5 おおひらホーム

名 称 おおひらホーム

所在地 黒川郡大衡村大衡

設置年月 1997年(平成9年)4月

運営主体 社会福祉法人 宮城県福祉事業団

住居形態 一戸建 ホーム専用住宅

バックアップ施設 精神薄弱者更生施設 宮城県船形学園

世話人居住形態 隣居

認可形態 国による認可

定員 定員4名 現入居者4名

入居者属性 A  22歳 男性 中等度 (知的障害)
B 19歳 男性 中等度 (知的障害)
C 18歳 男性 中等度 (知的障害)
D 17歳 男性 軽度 (知的障害)

郡部の郊外、近くに県道が走っているが人家がまばらな農村地域に立地している。隣接する住宅に住んでいる世話人が学園から依頼されてグループホームを引き受けることになり、敷地内に専用ホームとして平屋建で新築した。延床面積は92.75?uである。
押入付きの6畳個室を4室、日当たりの良い南側に同一水準で並べることを最優先に設計している。そのため、北側に居間と食堂を一体化して広く配置し、窓、トップライトで採光にも配慮したとの事である。また、朝の行動の一致を考え、トイレを2つ、洗面も2つ並べて設置している。各々の個室から直接外に出られるテラスもある。家賃は8万円、1人当たり2万円負担している。なお、家賃を低く抑えているために、建設計画で苦労している。建設費はすべて大家である世話人宅で全額負担する関係上、切り詰めて新築したため、最低基準の空間との事である。新築や改築等の補助の制度化が望まれる。
平成9年4月に開所したが、4人の内3人は20歳未満であり、障害年金の受給年齢になっていないため、共有空間の家具や居室の衣裳ケース、自転車等はバックアップ施設が寄贈した。
個室の使い方をみると、アイドルのポスターやマンガ、プラモデル、ゲーム、ラジカセなど各々の個性が伺える。しかしすべての個室に洗濯物干しがあり、洗濯物がかかっており、部屋の雰囲気をそこねている。
オープンなLDKで世話人と会話しながら食事している。ここにインターホンがあり、隣りの世話人宅に通じていることから、居住者が若く、甘えているためか何かあるとすぐ連絡するとのことである。世話人も「お母さん」と呼ばれており、お母さん的な役割をはたしながら居住者と接している。なお、近所との付き合いは薄く、挨拶する程度とのことである。







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