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グループホームの住まいに関する調査研究報告書


    グループホームの住まいに関する調査研究レポート 2 宮城工業高等専門学校 建築学科 本間敏行


      ふもとホーム

事例考察 (事例については匿名希望)

調査対象4 ふもとホーム

名称 ふもとホーム

所在地 黒川郡大和町吉田

設置年月 1997年(平成9年)4月

運営主体 社会福祉法人 宮城県福祉事業団

住居形態 一戸建 ホーム専用住宅

バックアップ施設 精神薄弱者更生施設 宮城県船形学園

世話人居住形態 隣居

認可形態 国による認可

定員 定員4名 現入居者4名

入居者属性 A 47歳 男性 重度 (知的障害)
B 45歳 男性 中等度 (知的障害)
C 31歳 男性 重度 (知的障害)
D 29歳 男性 重度 (知的障害)

郡部の郊外、人家の少ない山隘の農村地域に立地している。隣接する住宅に住んでいる世話人が学園から依頼されてグループホームを新たに設置した。敷地内に専用ホームとして2階建を建設した。世話人宅は敷地内で舞茸の生産工場を経営しており、学園の実習を以前より引き受けていたことから実習生を対象としたグループホームも頼まれたとのことである。延床面積は100.20?uで、2階に4畳半の個室4室を南向きに計画した。1階に居間兼食堂と世話人室を設置している。居間も南向きにするために2階建とした。1階東側にトイレと浴室、物千し場を設置し、外からも直接利用できるように考えたとの事である。家賃は月8万円、 1人当たり2万円と設定して建設したので世話人宅の建設費負担は大きかったとの事である。全額借金して負担したのに、地域住民が「もうけた」と誤解したらしく憤慨していた。幸い後で理解してもらえたそうである。補助金制度の必要性とともに地域一般への正しい情報と協力依頼の必要性が確認できた。
2階の個室は洋間でベッドが設置されている。机、ベッド、布団、タンス、テレビ等各室に整備されているが、配置の仕方や小物、ポスター等で各部屋の雰囲気が異なっている。ただし、全員ラジカセとカセットテープを所有し様々な音楽を楽しんでいる。
このホームの居住者は男性4名であるが、比較的重度である。世話人経営の舞茸工場で働いている。パートの人と一緒に作業しており、職場に適応しているとのことであるが、このホームの場合は職住がセットになっているケースといえる。仕事で汚れて帰宅した場合は物干し場側の出入口を使っている。タバコは物干しテラスで吸う約束となっている。
工場以外の近所付き合いは少なく、挨拶する程度とのことである。人家と離れた場所に有るが、居住者は歩いて20分ぐらいのコンビニによく出かけて買物し、顔なじみとなっているとの事である。







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