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グループホームの住まいに関する調査研究報告書


    グループホームの住まいに関する調査研究レポート 2 宮城工業高等専門学校 建築学科 本間敏行


      グループホームの住まいに関する調査研究レポート 2 宮城工業高等専門学校 建築学科 本間敏行

1. はじめに
知的障害者グループホームは制度化されて以来、近年急増している。平成8年10月1日現在(全国精神薄弱関係施設名簿1997)で、938ホーム(定員4055名)、都道府県単独事業の生活寮・生活ホーム等284ホーム(定員1513名)を加えると1222ホーム(5568名)となっており、平成9年度分をいれればさらに増加がみこまれる。
筆者等は平成7年に全国のグループホーム・生活寮等を対象に「グループホームの活動状況と住環境に関する調査」を悉皆で実施し、グループホームの全体像の概略を生活面、空間面で把握した(文−?@〜?C)。本報告ではこれらの知見を踏まえて地元宮城県を中心にし、一部先駆例を含めて事例調査した結果を考察する。

2. グループホームの事例調査対象
宮城県の場合、現知事が厚生省児童家庭局障害福祉課課長時代に知的障害者グループホームの制度化に関わった事もあってか、特に急増し、東北6県で最も増加率が著しい。平成9年度までで44ホームとなっている。その中から市部と郡部を選定し、4つのバックアップ施設を基に、計10ホームを訪問調査した。本報告ではその中から特徴的なグループホームを7例選定し記載した。
また、県内では構想段階である公的住宅利用型が北海道や静岡県等で試みられているので、その事例一例も加えることにした。
建築計画的な視点を中心に、居住者属性(性別 男性・混合・女性、年齢構成、障害程度)、世話人形態(通勤・隣居・同居)、住宅形式(借家・専用新築、平屋・2階建、 一戸建・集合住宅)、地域(市部・郡部)を基礎指標として調査した。今回の調査対象グループホームはいずれも4名定員、居住者は知的障害者で就労(福祉的就労を含む)している。居住をはいずれもバックアップ施設である更生施設あるいは通勤寮出身である。また、世話人はいずれも女性である。8事例について以下報告する。

?T〜?Vホームは一戸建・既存家屋借家の事例
(I−通勤型・男性、?U−通勤型・男性、?V−通勤型・女性)
?W・?Xホームは一戸建・新築(グループホーム専用)の事例
(?W−隣居型・男性、V−隣居型・男性)
?Y・?Zホームはアパートの事例
(?Y−通勤型・男性、?Z−隣居型・混合)
?[ホームは公営住宅の事例
(隣居型・男性)
?U〜VホームはH学園、?Y・?ZはM学園がバックアップ施設となっている。






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