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事例 大地を守る会と株式会社大地

 

・農薬公害の追放と安全農産物の安定供給を目指して、1975年に設立された。1980年には流通部門を株式会社大地とし、その後、卸し部門や畜産加工部門、農産加工部門などの事業部門を順次株式会社とした。現在、大地を守る会は傘下に11法人を擁している。1995年9月現在、生産者会員2,500名、消費者会員38,000名を数える。

・流通部門の株式会社大地は、資本金3億4,742万5千円、売上高91億8,300万円('96年3月期)。配送センターとして9ヵ所(調布、杉並、立川、横浜・都筑、横浜・瀬谷、横浜・金沢、習志野、戸田、川越)ある。

・(株)大地の流通システムは「共同購入」と「自然宅配システム」の2タイプがある。

 

<共同購入>

・地域の仲間が集まって「共同」購入する。「共同」で分ける拠点を「ステーション」といい、5〜10人の仲間が集まれば、共同購入グループとして配達する。

 

<自然宅配システム>

○入会金  …大地を守る会の年会費1千円、(株)大地への預託金5千円(入会時のみ、退会時返金)

○配送手数料…400円/回(注文の多少にかかわらず)

○注文方法 …初回は注文リストから注文書に希望品物を記入し郵送。次回からはそれをドアのノブにかけておく。

○支払い方法…郵便局の自動引き落としのみ(個人で口座を開設)。

 

・問い合わせ先:(株)大地調布センター 調布市深大寺北2-13-1

0424-87-7127

 

●この事業方式は、無農薬・減農薬生産方式の農家グループ(生産者)と消費者とを仲介斡旋し、それに係わる会計処理と品物の仕分け・運送を担うといったものである。皆農塾や菜の会の協力を得られれば、比較的短期間でできるであろうが、ある程度の地域的なまとまりのある契約消費者の開拓には少なくとも1年程度はかかるであろう。しかし、短期的に着手できる事業である。

 

●この事業は、労力がかかる割にはあまり大きな収益は見込めないものである。また、契約農家においても、わずかな副収入程度のものでしかない。

 

 

 

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