事例研究
ベティ・ブルックは62才のジャマイカ生まれの女性で、1960年からイギリスに住んでいる。40代の子供が2人いるが、2人ともロンドンには住んでいない。アフリカに多いといわれる釜型性貧血症でここ数年危険な状態に陥ることが多くなっている。料理する事が難しいので、きちんと食事を摂っていなかった。給食サービスを頼んでいたこともあるが、気に入っていなかった。孤独を感じて外出もあまりせず、病院に行くことを嫌がっている。元看護婦なので自分で痛みを和らげる処置をしたがっているが、そのことを許可しなかった医師とは気まずい関係になっている。危険な状態の時には、アパートの中で動き回ることも難しい。
食事のニーズに関して、社会サービス局の給食サービスで満たされているとは思えない。ダイレクトペイメントの場合は自分で料理の内容も選択できるので、彼女に適している。病気のケアの面についても、痛みを和らげるための訪問看護が見落とされていた。サービス中心の評価だと、デイセンターのサービスが紹介されて、個人のニーズから離れてしまう。現在は簡単にデイセンターへ行かせるのではなく、ニーズ中心の方向に進んではいる。
人は皆それぞれ人生の目標を持っているが、それを言う人と、言わない人がいる。人生の目的は、一般的に4つの分野に分けて考えられる。目的は、年齢とともに変わりうる。
1] 人間関係-子供の時は単に友達と呼べる友を欲しがるだけだが、その後、本当の友達を作り、子供を育て、老いていく
2] 仕事-若いときは早く収入を得るために仕事に就きたがる
3] 住宅-親元を離れて自分の家を持ち、ローンを払い、その後小さな家に移る
4] スポーツ-若い時には激しいスポーツもするが、歳をとるにつれて徐々に軽い運動をする程度になる
これは、障害の無い人の人生目標であるが、障害であっても同様であり、その目標の達成を手助けすることが必要である。
(8) プラン作成の権限
地方議会の中に、議員をメンバーとする社会サービス委員会がある。行政組織の中では、社会サービス局の局長が総括し、課が個々のサービスを担当する。チームのメンバーであるソーシャルワーカーまたは作業療法士は、1人が5〜6のケースを担当する。運営監督をするチームリーダーは重要な存在である(図3)。