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業界の問題点

生産性の向上と需要の量的・質的変化

四国地区は立地条件、社会条件ともに造船業に適しており、しかも各造船所は経営力・営業力を持っているところから、今後も発展の可能性は大いにある。ただ、経営資源を規模別にみると大きな差があり、しかも船価低迷により設備投資や新規採用を抑制してきたことから、経営力格差は一段と拡大しつつある。

こうした状況から、業界の抱える問題点を整理すると、次の2点となる。

?@設備の改良・労働力の確保等生産性の向上

?A市場の量的・質的変化への対応

の2つである。

 

将来像

今後、10年先を見通した四国地区造船業・舶用工業の将来像を描いてみると、企業規模の差によってその将来像は大きく異なる。

 

大手・中手造船所(建造設備1万総トン以上)▼

国際市場で競争に勝ち残ってきており、今後の厳しい環境下にあっても一定の業績を上げ、社会的役割を果たしていくであろう。

 

中型造船所(建造設備2,500以上10,000総トン未満)▼

近海船建造に進出したこの数年は成功を納めてきた。今後数年は近海船の需要が減少するものの、再び回復が見込まれるため、このクラスの造船所は、今後も存在感を保ち続けることが可能である。

 

小型造船所(建造設備2,500総トン未満)▼

地元船主とのつながりや巧みな営業、コスト競争力により、全国の50%のシェアを占めるに至った。今後も国内における建造量シェアは高まり、当地区はわが国の小型船舶の生産地としての地位を保ち続けるであろう。

 

舶用工業▼

その製品・業種・製造販売保守の別等によって将来像はさまざまに描きうる。

 

 

 

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