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3. 問題点の整理

 

四国地区の造船業・舶用工業には大小さまざまな規模の事業者があり、企業規模等によっておかれた状況も異なっている。問題点は内部要因と外部要因とに大きく2つに分けられるが、それをさらに次図のように5項目に整理し、それぞれ5つの事業区分(大型・中型・小型・修繕・舶用工業)毎に表に示した。(次ページ)

◆内部要因…生産体制の効率化

造船所の内部的な問題では、生産体制である。造船業は受注生産であり、生産性向上は常にテーマとして追い続けて来た問題であり、NC工作機の採用等により、成果も上がって来た。

しかしながら、一方では設備投資余力に大きな差が出ている一方、今後においては各社が取り組むことができ、しかも飛躍的な生産効率改善をもたらすような改善テーマは限られている。

生産現場で直面する大きな問題は、作業員の高齢化、不足である。そのため、競争力の維持・向上の前提となる生産性が低下する懸念がある。

◆外部要因…市場環境への対応

造船業は市場の動きに左右されて来ており、今後も基本的にはこの構図は変わらない。個別企業の取り組みとしては、既存の船舶需要の獲得に追われ、需要を創造する取り組み努力に欠けていた点も否めない。その基礎となるものとして、技術開発が挙げられよう。

今後、長期的にみると船舶需要が頭打ちになる一方、新分野への進出が遅れている。新分野は、一つには新しい船舶への取り組みであり、もう一つは陸上機械等への多角化である。今後はさらに、これらの中間とも言えようが、メガフロート等海洋開発の分野がある。

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