日本財団 図書館


3. 兵庫県の中小造船業の問題点解決方策の検討

これまでに、アンケート及びヒアリング結果から、兵庫県の中小造船事業者及び他地域の先進的な中規模造船事業者における「問題点解決への取組み状況」を整理した。

ここでは、それらの結果を参考にしながら、あるいはわが国産業全般における中小企業の問題点への取組み等も踏まえつつ、兵庫県の中小造船業への導入が望ましいと考えられる方策を検討する。

兵庫県の中小造船業がかかえる問題点克服の目的は、「技術面及びコスト面における競争力の強化」を通じて、「売上高の拡大と収益率の向上」を達成することであろう。しかしながら、アンケート結果からも明らかなように競争力強化に必要な経営資源(ヒト、モノ、カネ、情報)が十分に備わっている事業者は非常に少ない。

例えば、「ヒト」の面では、高齢化、若年労働者不足、技術者不足が顕著であり、「モノ」の面では設備の近代化が遅れている。さらに、「カネ」においても売上高の伸び悩みと収益率の低下により設備投資等へ振り向ける資金が十分でない。「情報」の面でも顧客ニーズに関する情報あるいは新技術に関する情報等の入手も必ずしも十分とは言えない。

これまでの調査結果等から、問題点解決のための方策を整理すると下図のとおりである。

 

082-1.gif

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION