表6-8.先進事業者の具体的事例(ヒアリングによる)
1) (株)三浦造船所(大分県佐伯市)
1) 効率化などについて
・内業工場は、すべて全天候型で、ブロックの組立場は、移動屋根式になっており、雨天時の作業の効率を良くしている。
・6基あるジブクレーンすべてが、リモコンで操作ができ、作業の省力化
・迅速化、安全性の向上が図られており、溶接についても、自動溶接装置を導入し、作業の、省力化が図られている。
・エンジンルームに、スポットクーラーを設置するなど作業環境の改善に努め、作業の効率を良くしている。
・基本設計のうち、原図処理は、CADシステムと3基のNC切断機により行われ、作業時間の短縮と省力化が図られている。
・共同購入は行っていないが、鉄鋼会社の物流効率化方策により他地区よりコストが安くなっている(鋼材置場の共同利用)。
・船舶の大型化に伴う船体ブロックの大型化に対応するため、130m×30mのブロック工場を2棟建築する。
・造船業は「運搬業」であり、船が大型化してくると材料等の運搬は人力ではできなくなり、いかに、効率的に地上を逆もどりせず、直線的に材料等を動かすかがコスト削減に大きく影響してくるため、工場内の運搬を効率的に行う設備を設置している。
・配管のCADシステムの導入計画がある。
2) 労働力について
・協力会社は、18社ですべて当社専属であり、18社それぞれの社長が、当社従業員獲得のスタッフとなり、労働力確保に取り組んでいる。
・女性の働ける職場(現場に主婦)にするため、作業環境を良くしている。
・CADシステムと3基のNC切断機の操作を若い女性が行っている。
3)営業について
・顧客業界の状況を把握するために、月に2〜3回、中央(東京)のオペレーター、荷主等に出向いている。
4) 社員教育について
・ 従業員に対して、作業を効率的に行うために、同じミスをしないといった現場教育を徹底している。
・品質管理の一環として「錆びゼロ運動」により、錆びは全行程で完全にシャットアウトされている。
5) 標準化などについて
・ 船を建造していくうえで、効率が良い、船価が安いといった理由でできるだけ同型船を建造している。
・主力であるセメント運搬船等の特殊船では、それに特化してしまうと仕事量が足りない。今後も、内航船を主力とした受注の確保に努め、船腹調整制度対象外船舶や大型内航船の建造に力を入れ、窓口を広くして、多種多様な船舶を建造していく。