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第4章 兵庫県の中小造船業及び舶用工業を取りまく環境変化

 

1. 経済社会環境の変化

わが国の経済は、1991年のバブル経済崩壊後、1993年末までは戦後2番目に長い景気後退を経験したが、その後は回復基調にあるとは言え、変動が大きく安定していない。政府は低金利政策を核として景気回復を図っているが、歳入の減少による公共事業の縮少が提唱されており、これが建設業をはじめとするわが国の産業に大きな影響を及ぼしている。

さらに、世界に目を向けると、WTO(世界貿易機関)の設立といった自由貿易体制の維持強化の動きや、EU(欧州連合)、NAFTA(北米自由貿易協定)といった地域経済統合への動きも活発化する中で、国際分業体制の再編といった企業活動のボーダレス化が進み、投資環境としてのわが国の魅力の低下やわが国産業・雇用の空洞化の懸念が高まるとともに、内外価格差の拡大等により国民の豊かさの実感不足が生じるなど、構造的な課題が顕在化している。

このような状況の打開を図るために、規制緩和による既存の制度や政策の見直しが進められており、特に海上輸送の分野等での規制緩和は造船業に大きな影響をもたらすと考えられる。

 

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(注)一致指数が基調として(おおむね3ヵ月程度)50%を上回っているときが景気の拡大局面、50%を下回っているときが後退局面とみることができる

1994年に景気は回復したかに見えたが、95年〜97年は50%以上の期間は長続きせず、景気変動が大きいと言える

出典「景気動向指数」経済企画庁

 

 

 

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