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3・1・2 手動・半自動切断精度

 

?@切断作業の多くは、駆動モーターで動き手で方向を案内する半自動切断機、レールに乗って直線を切る可搬タイプの自動切断機などで行われる。これらの切断機の精度はマーキン線の確認、レールのセットなど全て人が介在するので作業者の技量と心に左右される。これらの精度の参考として「日本鋼船工作法精度標準」(JSQS)解説版の計測データーを下図に示す。

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?A図3・1・2・?@ 板耳の直線度をJSQSより引用しておるが、これは自動溶接装置を導入する時は、この板耳の直線度・開先角度などの精度向上は必須条件である事を心して頂きたいためである。自動溶接はレール上を溶接速度や電流・電圧等を一定にして行うので溶接開先線の蛇行・GAP・開先角度のバラツキなどが有ると外観を損なうばかりでは無く内部欠陥も生じやすい。

 

3・1・3 精度誤差の吸収

?@第2章及び本章で原尺現図精度・マーキン精度・切断精度などの精度誤差を述べたが、だからこれらの工法では船の品質が悪いと言うことでは無い。また作業者の技量や心が悪いと言うものでもない、作業者は誠心誠意で良品を造っている事は事実である、しかし、結果として避ける事のできない誤差が生じるのだという事である。従って、これらの精度誤差は経験的に把握されており、伸ばし・合わせ切り工法などで吸収され船の最終精度と品質を十分に満足している事は申すまでもない。

 

 

 

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