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7.1.5 動揺限界と限界波高の検討

 

減揺目標値の検討を行うため、応答の限界値と限界波高の関係を調べる。評価する応答を不規則波中のRoll及びz方向上下加速度(波上側デッキ端部における)の有義値とした。それぞれの限界値を以下のように想定した場合の限界有義波高Hsを求めた。

 

-Roll有義値      3deg.、5deg

-z方向加速度有義値   25gal、30gal

 

応答の許容限界値をとし、応答の有義振幅を、有義波高をとすると限界有義波高は以下で計算できる。

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シリーズ計算を実施したケースから以下のものを選定して計算を行った。

(1)BO

基本浮体形状

(2)BO-W2

水線幅変更

(3)BO-ART9

矩形減揺タンク上載

(4)BO-SLR12

SLO-ROLタンク付加

 

図7-10にROLL有義値が3deg、5deg.となる限界有義波高を示す。Roll有義値が3deg.となる有義波高は0.5m以上あり、Rollに関して目標値達成は可能と考えられる。SLO-ROLタンク付BO-SLR12の場合は波周期6sec以上で他より劣る結果となっているが、先にも述べたように、長周期域では水線幅変更タイプBO-W2に近い応答を現実には示すと考えられる。

図7-11にz方向加速度有義値が25gal、30galとなる限界有義波高の計算値を示す。限界有義波高が最も低いのはRollの同調周期である波周期6sec付近である。加速度限界を25galとした場合は最も良い場合でも限界有義波高が0.3mであり、この目標値達成は難しい。

加速度限界を30galとした場合には波周期6sec付近で限界有義波高0.35m、その他の周期では0.4m以上を確保できる。運用時の波周期が4sec以下程度と考えれば限界有義波高0.5mは確保できる。

 

 

 

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