日本財団 図書館


いったん発振回路で発振させ、それを整流して必要な各部の電圧を作る、いわゆるDC-DCコンバータを備えたAVRが用いられる。その構成を図3・50に示す。

068-1.gif

?フィルターはレーダー装置内で発生する種々の雑音が外部に漏れないようにするためのものである。

?定電圧回路は船内電源の電圧変動に対しては一定の電圧を保つためのもので、いろいろな回路があるが、一般にはスイッチング・レギュレータが多く用いられている。

?スイッチング・レギュレータは広範囲の電圧変動に対してもよく動作し、能率も比較的良い。

?発振回路は自励発振で、電源同期型のレーダーでは、この周波数を繰り返し周波数に用いている。

 

3・9 ディジタルレーダー

 

現在のレーダーのPPI表示方式では、空中線の一走査(一回転)に3〜5秒を要するので、その間は映像が残っている必要がある。このため、これを残光性の蛍光面があるCRTを用いて、その残光によって映像を見るようにしてある。しかし、このCRTが電子ビームによって直接発光する映像の明るさは、残光に比べるとはるかに明るくて、このままでは、残像を見ることはできない。ただ、これは発光色が異なるので、これを色フィルターによって押さえて残光だけが見えるようにしてあるが、それでもまだ残光よりも明るい。このようにしてフィルターによってブラウン管の発光を抑制するため、蛍光面の残光による残像、すなわち、レーダーの映像はかなり暗くなって、昼間はフードを掛けなければ見ることができない。

これに対してディジタルレーダーでは、PPIの表示を細かい画素に分け、かつ、これをディジタル化して、その一つ一つを超LSI(LSIは大規模集積回路のこと)による記憶回路(メモリ)に記憶させる。次にそのデーターを高速で読み出して、テレビに使用されているものと同じCRTに表示させるようになっている。このため、ディジタルレーダーの映像は、テレビのように全面が同じ明るさで、昼

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION