実際の波形は、底部DCと頂部ABの幅が異なるので、パルスの立ち上がりDAと、立ち下がりBCにおける振幅の、約70%に相当する二点間の幅を、パルス幅τとすることが多い。
レーダーで距離を正確に測定するためには、送信パルスの波形ができるだけ方形波に近いことが望ましい。一般に、立ち上がりは立ち下がりよりも容易に鋭くできるので、距離の測定には、立ち上がりを利用している。
(2)休止時間
一つのパルスが終った直後から、次のパルスが送出されるまでの時間を休止時間といい
休止時間=パルス周期-パルス幅
で表される。レーダーでは、この時間中には送信パルスの送出は休止されている。この休止時間は、最大探知距離内にあるすべての物標からのエコーを受信し終るまで次のパルスが発射されないよう、十分に長いことが必要である。
(3)パルス繰り返し周波数
一定の周期で繰り返されるパルスの、毎秒当たりの数を、パルス繰り返し周波数という。一般に、レーダーのパルス繰り返し周波数は、数百ヘルツから数千ヘルツ程度のものが多く用いられている。
(4)パルス繰り返し周期
一つのパルスの立ち上がりから、次のパルスの立ち上がりまでの時間(パルス間隔)を、パルス繰り返し周期といい、パルス周期をT、パルス繰り返し周波数をfとすれば、次の関係がある。