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4.3 国際機関及び外国の技術援助の現状

 

フィリピンの公共港湾の主要開発事業は外国や国際金融機関の融資によって行われておりその主なものは以下の通りである。

 

4.3.1 世界銀行プロジェクト

 

1973年の第1次港湾ローン以来港湾部門を支援してきた。3次までの港湾プロジェクトではとりわけ、浚渫機械、ミンダナオの主要港湾の拡張、セブ、カガヤンデオロ、イロイロ、ザンボアンガのコンテナ取扱施設の建設に資金が充てられた。第4次プロジェクトは南部ルソンと周辺諸島及びビサヤ並びにミンダナオにある中規模港湾20港を対象にした整備、改良プロジェクトであった。また、世銀は第5次プロジェクトとしてセブ港、イロイロ港を対象に内容を検討している。
セブ港については、現在内航船の一時係留に使用されているターミナルD地区を15m前出しをして水深8.5m(将来10m)、延長1.2kmの岸壁を造成するとともに、3つの突堤桟橋の上屋を撤去するものである。(事業費約10億5千万ペソ)また、イロイロ港については、イロイロ川右岸の河川港部980mの改修と背後道路に沿った鉄道の撤去及びエプロン背後の舗装を行うものである。(事業費約2億5千万ペソ)しかし、その後、地方政府の再開発との調整が難航したこともあって、当該箇所で扱うこととしていた貨物を新港部に移すこととし、新港拡張の検討などを行っている。

 

4.3.2 アジア開発銀行プロジェクト

 

本プロジェクトは、フィリピン最大の港であるマニラ港(北港及び南港)のリハビリテーションプロジェクトであり、北港は1991年7月に、南港は同年9月に着工した。

南港については、ピアー3、5、9、及び15の改良、ピアー9のエプロン拡幅、建屋の建設、これらピアーの上屋の修理、取り壊し及び建設、新しい防舷材の取付け、西防波堤の修理等が1994年4月に完了している。

一方、北港については、延長375mのRC岸壁、延長500mの石積み防波堤、管理事務所の建設、埋立工事、現ピアー・道路・埋立地等の改良と舗装、給排水の設置等が1995年10月に完了している。

 

4.3.3 マニラ穀物ターミナルプロジェクト

 

現在、マニラ港の泊地において、はしけにより取り扱われている小麦、大豆、ソルガム等の穀物の取扱の効率化を図るための穀物ターミナルを建設しようとするプロジェクトで、アメリカ貿易開発プログラム(US Trade & Development Program)によりF/Sを終了している。

 

 

 

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