(参考1)ラボ実験
1994年夏に大規模のフィールド実験を行う前に、?最も生分解率を高める窒素濃度、?その濃度を保つために必要な栄養塩の散布頻度を調べるために、実験が行われた。?はラボで、?はフィールドで実験した。
(1)ラボ実験
a. 実験の目的
大規模実験の前の予備実験として、もっとも生分解率を高める窒素濃度を調べた。
b. 実験の概要
最大の効果をあげる窒素濃度を打ち出すため、波動装置のついたsemicontinuous flow respirometric beach reactorsを使った。このmicrocosmは、継続的に酸素消費量、二酸化炭素排出量をモニターできるという長所を持つ。各波動装置は、直径75mm、高さ260mmで、海浜の物質が約2kg入る。カラームには、テフロンバッグに貯めた海水を、スプレーノズルを通じて上から波ポンプで送る。酸素不足が観測されたら、酸素が自動的にrespirometerから送られる。
6種の硝酸塩濃度(0mg/Lから、10mg/Lの間の6段階)を装置に入れ、heptadecaneの生分解を継続的に追っていく。heptadecaneで前もって生育させたデラウェア海岸線の混合微生物が注入された。
c. 結果
6つの装置のうち、10mg/L N03-Nの酸素消費量、二酸化炭素排出量は0.5mg/Lの2倍であった(表1参照)。10mg/Lの装置から排出する水の窒素濃度は、注入したときの水の窒素濃度よりほんの少し低いだけであった。一方0.5mg/Lの装置からの排水中には窒素は計測不能であった。よって、窒素濃度0.5mg/Lでは、窒素不足により生分解活動が制限を受けると考えられる。実験で使われた次に高い窒素濃度は2.5mg/Lで、この結果は、10mg/Lのものと変わらなかった。
この後で、0.5mg/Lと2.5mg/Lの間をより詳しく調べて、もっとも高い生分解効果をあげる最低限の窒素量を調べる実験が行われ1.5mg/Lという結論に至った。