4.2.2 生分解率の確認
(1)試験方法
18mmの試験管に、窒素、リンを十分量強化し、100mMのHEPESでpH=7.8に緩衝した人工海水培地4.5mLを分注し、A重油を培地中初期濃度として12,000、24,000、48,000ppmになるようにそれぞれ添加する(表面にキラキラする油が浮いている状態が、数百ppm。48,000ppmだと表面に1mm程度の油が浮いている状態)。これに前培養した原油分解菌(単菌;3.予備試験で用いた原油分解菌から最も原油分解能に優れている菌株として単離されたもの)の培養液を0.5mL植種し、レシプロ(120回/分で往復)シェーカーにて20℃で28日間、振盪培養する。培養後、フラスコから残留油分をクロロホルム抽出し、クロロホルムを除去した後に、赤外吸収のない溶媒(四塩化炭素)に再溶解して専用の機器(GAC TPHメーター)にて残留油量を測定する(装置に内臓されている検量回路は用いずに、A重油による検量線を新たに作成し、これによって試料中のA重油濃度を求めた)。
なお、1点のデータは、3サンプルの平均とする。
(2)試験結果
赤外(波長3.5μm)の吸光度で油分濃度を測定(TPH:Total Petoroleum Hydrocarbons)した結果を図4-2-2に、残留率を表4-2-3に示した。生分解率は、4週間で97%(12,000ppm)〜87%(24,000ppm)であった。