3.4.6 新たな原油の添加による試験
(1)目的
重要パラメータ確認試験のうち、3.4.2の試験において栄養塩が十分な場合でも分解率は、約30〜40%にとどまり、菌密度も108CFU/mLのオーダーにしか達しなかった。この1つの原因として、原油分解菌で分解できる油分がなくなっていることが考えられる。
そこで、分解が進展しなくなった時点で、新たな加熱風化原油の添加を行い供試原油分解菌の増殖及び原油分解の測定を行う。
(2)方法
バッフル付きの三角フラスコ(200mL容)に窒素、リン、鉄を十分量強化し、100mMのHEPESでpH=7.8に緩衝した人工海水培地48mLを分注し、加熱風化原油を培地中初期濃度2,000ppmならびに1,000ppmになるように添加する。それぞれに原油分解菌前培養液2mLを植種し、ロータリーシェーカーにて20℃で培養する。後者には培養15日後に更に加熱風化原油を同量添加し、培養を続ける。試験条件を表3-4-6に示す。
30日間の培養終了後の培地から、まず菌密度測定用試料をlmL分取し、残りの培地から培地量と等量のクロロホルムを用いて残留油分を抽出し(2回)、クロロホルム除去後、秤量分析等に供する。菌密度はマリンアガープレート・段階希釈法にて計数する。