2.2.6 環境庁・水産庁
平成9年1月に発生したナホトカ号油流出事故を受けて、環境庁などでは以下の研究が実施された。?については、平成10年度以降も研究が継続される予定である。
?油処理剤及びバイオレメディエーション技術の検討調査
ナホトカ号油流出事故においては、流出油や漂着油の処理に油処理剤の使用、あるいはバイオレメディエーション技術の適用が検討され、一部では実施された例も見られた。しかし、これらの技術が今回の流出油処理にどのような効果をあげることができるかは不明であり、また環境中で使用された場合の生態系に与える影響についても懸念された。
そこで、環境庁では専門家からなる検討会を設けて油処理剤及びバイオレメディエーション技術の使用例や効果、環境影響等についての検討を行い、適用にあたっての使用上の留意点をとりまとめ、平成9年3月に「油処理剤及びバイオレメディエーション技術の検討調査報告書」を公表した。
今後はこれらの内容をさらに充実した指針を作成する予定である。
?油流出事故に対するバイオレメディエーション技術検討調査
油に対するバイオレメディエーションについては、現場の状況により効果が異なるといった有効性の問題や、生態系に対する影響といった安全性の問題について国内で十分な議論がなされておらず、適切なバイオレメディエーション技術の確立が求められている。
そこで環境庁及び水産庁では、バイオレメディエーション技術の適用に関して我が国の海岸における環境影響、有効性等の基礎的な知見を得るために、本調査を実施した。実施内容は、以下の通りである。
【室内試験】
○干潟シミュレーション装置を利用したバイオレメディエーションの有効性の検討
○底質を含む簡易モデル生態系(マイクロコズム)による油分解と生態系影響評価法の開発
○栄養塩の海産生物に対する毒性試験による影響調査
【油汚染の沿岸生態系影響及びバイオレメディエーション技術模擬環境調査】
○油汚染での模擬生態系影響調査
○沿岸環境汚染調査